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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第11号「要部抽出と称呼の類似性」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2014−4006(T2014−4006/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2014−4006(T2014−4006/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「LA CIFONELLI」
争点(論点)
要部抽出と称呼の類似性
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2014−4006(T2014−4006/J1)・不服)は、本件商標と引用商標「LA CIFONELLI」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「要部抽出と称呼の類似性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「男性用スーツ,男性用ジャケット,男性用コート」を指定商品として、平成25年4月9日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録第1911264号商標(以下「引用商標」という。)は、「LA CIFONELLI」の文字を書してなり、昭和59年5月31日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同61年11月27日に設定登録され、その後、2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、平成18年10月11日に、第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、別掲のとおり、縁取り風の輪郭図形のなかに、特徴的な書体により顕著に表された「Cifonelli」の欧文字を上段に、やや小さく表した2本のはさみを交差させた図形を中段に、やや小さく表した「TAILOR」の欧文字を下段に配した構成からなるものである。

また、本願商標の構成中「TAILOR」の文字部分は、「(洋)服屋、」の意味合いを有することから、その指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能はそれほど強いものとはいえない。

そうすると、本願商標は、その構成中の図形部分と文字部分とが常に不可分一体のものとしてのみ認識し把握されるべき格別の理由は見出し難く、「Cifonelli」文字部分及び2本のはさみを交差させた図形部分が、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。

してみれば、本願商標は、その構成中「Cifonelli」の欧文字部分を分離、抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであり、該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。

以上よりすれば、本願商標は、「Cifonelli」の欧文字に相応し、「チフォネリ」の称呼を生じ、また、特定の観念を有しない造語と認められるものである。

(2)引用商標について

引用商標は、前記2のとおり「LA CIFONELLI」の欧文字を横書きして表してなるところ、「LA」の欧文字と、「CIFONELLI」の欧文字との間に、一文字分程度のスペースが設けられていることから、「LA」及び「CIFONELLI」の各文字部分が視覚上分離して認識されるものである。

そして、引用商標の前半の「LA」の文字部分は、その後に続く語を特定あるいは強調するフランス語の定冠詞であって、特段の意味を有せず、自他商品の識別標識としての機能が格別強いということはできないことからすれば、取引者・需要者は、引用商標の後半の「CIFONELLI」の文字部分が引用商標の主要な部分と認識し、これより生ずる称呼をもって取引にあたる場合も少なくないものと判断するのが相当である。

してみれば、引用商標は、その構成文字の全体より生ずる「ラチフォネリ」の称呼のほか、その後半の「CIFONELLI」の文字部分に相応して「チフォネリ」の称呼をも生じ、特定の観念を有しない造語と認められるものである。

(3)本願商標と引用商標の類否について

本願商標と引用商標とは、外観においては、前記のとおり全体の構成において相違するとしても、主要な部分である両者の欧文字は、大文字と小文字の相違はあるものの、共に9文字からなる構成で、綴りを共通にするものであるから、両商標は外観上近似するものである。

次に、称呼においては、本願商標と引用商標とは、「チフォネリ」の称呼を共通にするものである。

そして、観念においては、本願商標と引用商標とは、ともに特定の観念が生じないものであるから、観念上、比較することができない。

さらに、本願の指定商品「男性用スーツ,男性用ジャケット,男性用コート」は、引用商標の指定商品「被服」に包含されるものであるから、両者は同一又は類似の商品である。

以上を総合して考察すると、両商標は、観念において比較することができないとしても、外観上近似し、称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本願の指定商品と引用商標の指定商品は類似するものである。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

(4)請求人の主張について

ア 拒絶査定の要点について

請求人は、拒絶査定2頁4行目において、「共に『MONSTAR』の文字部分を要部とすることからすれば、外観上及び観念上の差異で識別できるとも考えることはできない。」旨記載されていることについて、本願商標及び引用各商標には「MONSTER」の文字部分は無く、要部認定に関する記述に誤りがある旨述べているが、原審における、「MONSTAR」との記載は、「Chifonelli」の誤記と認められる。

イ 取引の実情について

請求人は、本願商標の指定商品は高級紳士服であり、需要者は富裕者層の男性に限られ、百貨店で販売されるのに対し、引用商標の需要者層は婦人であり、販売場所も百貨店ではないから、本願商標と引用商標との間に混同が生じるおそれはなく、現実の取引の実情を考慮すべきである旨主張する。

しかしながら、商標の類否判断にあたり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なものをいうのであって、単に当該商標が現在使用されている商品についての特殊的、限定的なものを指すのではない。

そして、本願の指定商品及び引用商標の指定商品の一般的、恒常的な取引の実情を考慮した結果、上記のとおり判断すべきであるから、請求人の上記主張は採用することができない。

請求人のその他の主張も、上記(3)の判断を左右するものではない。

(5)まとめ

以上のとおりであるから、本願商標は商標法4条1項11号に該当し、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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