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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「顔図形商標の類否」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2018−11452(T2018−11452/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2018−11452(T2018−11452/J1)
審判種別
不服

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
顔図形商標の類否
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2018−11452(T2018−11452/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「顔図形商標の類否」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第24類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成29年6月7日に登録出願されたものである。

その後,原審における平成29年12月20日付けの手続補正書により,その指定商品は,第24類「布製身の回り品,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下,これらの商標をまとめていうときは「引用商標」という。)は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4876834号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成17年2月2日登録出願,第14類「貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ」を含む,第14類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同年7月1日に設定登録されたものである。

(2)登録第4952253号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成17年1月7日登録出願,第16類「家庭用食品包装フィルム」を含む,第3類,第16類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同18年5月12日に設定登録されたものである。

(3)登録第5039288号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成18年9月29日登録出願,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,ストロー,盆(金属製のものを除く。)」,第21類「アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。)」及び第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン」を含む,第9類,第11類,第18類,第20類,第21類,第24類,第26類,第27類,第28類,第29類,第30類,第32類及び第34類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同19年4月6日に設定登録されたものである。

(4)登録第5381034号商標(以下「引用商標4」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成20年7日11日登録出願,第16類「家庭用食品包装フィルム」,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,ストロー」,第21類「アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振り出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆,ようじ入れ,ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。)」及び第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン」を含む,第3類,第5類,第9類,第11類,第14類,第16類,第18類,第20類,第21類,第24類,第26類,第27類,第28類,第29類,第30類,第32類,第35類及び第38類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同23年1月7日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は,別掲1のとおり,細線よりなる円輪郭の中に,左上には黒塗りの縦長楕円を,右上には黒塗りの略三角形を配し,下側には両端上がりの長い弧線及びその右端に弧に略垂直になるように短い棒状の線を配してなる図形を表してなるもので,全体として,円輪郭の人の顔を,簡潔かつ象徴的に表現してなるものであって,左目を細めて,左口角を上げることで,にやりとした表情を表したとの印象を与えるものである。

本願商標は,上記のとおり,人の顔を簡潔かつ象徴的に表現した図形よりなるところ,そのようなモチーフの描写方法や描写態様は多種多様であり,当該図形部分をして直ちに特定の図案やキャラクターを描いたものとも認識し得ないから,これより特定の称呼及び観念は生じない。

(2)引用商標について

ア 引用商標1ないし3について

引用商標1ないし3は,別掲2のとおり,太線よりなる円輪郭の中に,左上には黒塗りの縦長楕円を,右上には松葉状に右側に開く2本の短い弧線を配し,下側には左右対称の両端上がりの長い弧線及びその両端に弧に略垂直になるように短い棒状の線を配してなる図形を表してなるもので,全体として,円輪郭の人の顔を,簡潔かつ象徴的に表現したものであって,左目をウインクし,左右口角を大きく上げた笑顔を表したとの印象を与えるものである。

引用商標1ないし3は,上記のとおり,人の顔を簡潔かつ象徴的に表現した図形であるところ,そのようなモチーフの描写方法や描写態様は多種多様であり,当該図形部分をして直ちに特定の図案やキャラクターを描いたものとも認識し得ないから,これより特定の称呼及び観念は生じない。

イ 引用商標4について

引用商標4は,別掲3のとおり,左上に黒塗りの縦長楕円を,右上には松葉状に右側に開く2本の短い弧線を配し,下側には左右対称の両端上がりの長い弧線及びその両端に弧に略垂直になるように短い棒状の線を配してなる図形を表してなるもので,全体として,顔の輪郭なしに目と口のみからなる人の顔を,簡潔かつ象徴的に表現したものであって,左目をウインクし,左右口角を大きく上げた笑顔を表したとの印象を与えるものである。

引用商標4は,上記のとおり,人の顔を簡潔かつ象徴的に表現した図形であるところ,そのようなモチーフの描写方法や描写態様は多種多様であり,当該図形部分をして直ちに特定の図案やキャラクターを描いたものとも認識し得ないから,これより特定の称呼及び観念は生じない。

(3)本願商標と引用商標の比較

ア 本願商標と引用商標1ないし3の比較

本願商標と引用商標1ないし3を比較すると,いずれも円輪郭の人の顔を,簡潔かつ象徴的に表現してなる点において共通する。しかし,両商標における左目及び口角に相当する部分の構成上の相違から,互いの表情としての印象は異なり(本願商標はにやりとした表情の印象を与えるのに対し,引用商標1ないし3はウインクした笑顔の印象を与える。),また,円輪郭の線の太さの相違から,顔の輪郭が強調される程度が異なるため,外観から受ける印象に差異がある。

そうすると,両商標は,人の表情を目及び口のみで表現するシンプルな構成であることも考慮すれば,表情の印象や輪郭線の態様の差異が全体の印象に与える影響は大きく,両商標に時と所を異にして接する場合であっても,全体としては外観上相紛れるおそれがないというべきである。また,両商標は,特定の称呼及び観念は生じないため,相互に比較することができず,称呼及び観念においても相紛れるおそれはない。

そのため,本願商標は,引用商標1ないし3とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても類似する商標ではないから,これらを総合的に勘案しても,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

イ 本願商標と引用商標4の比較

本願商標と引用商標4を比較すると,いずれも人の顔を,簡潔かつ象徴的に表現してなる点において共通する。しかし,両商標における左目及び口角に相当する部分の構成上の相違から,互いの表情としての印象は異なり(本願商標はにやりとした表情の印象を与えるのに対し,引用商標4はウインクした笑顔の印象を与える。),また,円輪郭の有無という比較的目立つ相違もあるため,外観から受ける印象において差異がある。

そうすると,両商標は,人の表情を目及び口のみで表現するシンプルな構成であることも考慮すれば,表情の印象の差異や輪郭線の有無が全体の印象に与える影響は大きく,両商標に時と所を異にして接する場合であっても,全体としては外観上相紛れるおそれがないというべきである。また,両商標は,特定の称呼及び観念は生じないため,相互に比較することができず,称呼及び観念においても相紛れるおそれはない。

そのため,本願商標は,引用商標4とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても類似する商標ではないから,これらを総合的に勘案しても,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(4)まとめ

以上のとおり,本願商標は,引用商標とは類似する商標ではないから,その指定商品における同一又は類似について言及するまでもなく,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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