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商標「手動利器,手動工具」の著名商標の不正登録(第4条第1項第19号|審判平成10年異議第91474号)

審判番号
平成10年異議第91474号
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「手動利器,手動工具」
争点(論点)
著名商標の不正登録
適用条文
第4条第1項第19号
指定商品・役務の区分
第8類
最終結論
other(other)

この審決(審判平成10年異議第91474号・異議)は、本件商標「手動利器,手動工具」について、商標法第4条第1項第19号への該当性が争われた事例です。主な争点は「著名商標の不正登録」です。指定商品・役務は第8類に属します。特許庁は「登録第4125288号商標の登録を取消す」と判断しました(other)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4125288号商標の登録を取消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4125288号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙(1)に示すとおりの構成よりなり、平成8年5月8日に登録出願、第8類「手動利器,手動工具」を指定商品として、同10年3月20日に設定の登録がされたものである。

2 登録異議申立に基づく当審の取消理由

本件商標は、登録異議申立人 エス アー エール エル クトゥルリーノントルネーズ(以下、「申立人」という。)が「ナイフ」をはじめとする「手動利器,手動工具」に使用して著名な別紙(2)ないし(4)に示すとおりの構成よりなる商標(以下、「引用商標(1)ないし(3)」という。)と同一又は類似のものであるところ、商標権者は、引用商標に係るナイフの日本における販売権を得るべく申立人に接触した事実があることからすれば、本商標権の取得行為は、取引上の信義則に反し、不正の目的をもって使用するものである旨の申立があった結果、商標権者に対して、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するとの取消理由を通知した。

3 当審の判断

そこで判断するに、申立人の提出に係る甲第3号証(商品カタログの写し)、同第4号証(「ナイフマガジン」1996年12月号の写し)、同第5号証(「ラピタ」1995年春号の写し)、同第6号証(「ラピタ」1996年5月号の写し)、同第7号証(日本における「NONTRON」製品価格表の写し)及び同第8号証(「NONTRON」製品の日本への輸入インボイスの写し)によれば、申立人は、商品「ナイフ」について、別紙(2)ないし(4)に示したとおりの構成からなる「NONTRON」の文字よりなる商標、中世の甲冑模様状の図形からなる商標あるいはこれらを組み合わせた商標をフランス国において使用した結果、少なくとも同国における需要者の間において広く認識されていたものと認められる。そして、該商品は、本件商標の出願時には既に我が国にも輸入・販売されるとともに、我が国で発行された各種雑誌にも紹介されていた事実を認めることができる。

しかして、本件商標は、別紙(1)に示すとおりの構成よりなるものであるところ、引用商標(1)とは「ノントロン」の称呼を共通にし、引用商標(2)とは特徴のある中世の甲冑模様状の図形部分を同じくし、引用商標(3)とは該図形及び「NONTRON」の文字ともその構成をほぼ同一にするものであり、かつ、指定商品も引用商標が使用されている商品と同一又は類似のものである。

そして、甲第9号証(株式会社瀬戸金型刃物工業と申立人との間で交わされた書簡の写し)によれば、商標権者は、申立人の業務に係る前記商品の販売権を得るべく、申立人と交渉を行っていた事実が認められることから、引用各商標が「ナイフ」について使用されている申立人の所有に係る商標であることを十分承知していたものといわなければならない。

この点について、商標権者は、1996年3月に申立人に会った際、申立人の商品の販売権を得ること、とりあえず、本件商標権者の名義で商標出願をした後、申立人の要求に応じてその権利を共有にすることの二点について、口頭で了解がなされていたにもかかわらず、その後になって申立人が一方的に販売権の解消を主張してきたため、商標権もそのままになったのであり、商標権者においては、「NONTRON」が著名との認識もなく、また、不正の目的もなかった旨述べている。

しかしながら、注目度の低い商品の販売権を取得しようとすることは一般的には考え難く、また、何らかの事情があったにせよ、事前に他人の商標を自己の名義で取得するということは販売権の取得交渉を有利に計ろうとするなど何らかの図利目的があったものとみられても致し方のないところである。

してみれば、上記事情を総合勘案すれば、本件商標は、引用商標が我が国において登録されていないことを奇貨として先取り的に出願されたものであって、不正の目的をもって使用するものといわざるを得ない。

したがって、本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当するとの理由により、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由は妥当なものであるから、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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