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結論

勝訴(請求認容)

商標「リゾエース」と「リゾ」のエースの記述性と称呼類似(第4条第1項第11号|審判異議2001−90588(T2001−90588/J7))

審判番号
異議2001−90588(T2001−90588/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「リゾエース」引用商標「リゾ」
争点(論点)
エースの記述性と称呼類似
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
第5類
最終結論
登録取消(勝訴(請求認容))

この審決(審判異議2001−90588(T2001−90588/J7)・異議)は、本件商標「リゾエース」と引用商標「リゾ」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「エースの記述性と称呼類似」です。指定商品・役務は第5類に属します。特許庁は「登録第4472187号商標の指定商品中「薬剤」についての商標登録を取り消す」と判断しました(登録取消)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4472187号商標の指定商品中「薬剤」についての商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4472187号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年5月23日に登録出願され、商標の構成を標準文字による「リゾエース」の片仮名文字とし、指定商品を第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,失禁用おしめ,乳児用粉乳,乳糖」として、平成13年5月11日に設定の登録がされたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人の述べる登録異議の申立ての理由は、要旨つぎのとおりである。

登録商標、すなわち、昭和28年2月16日に登録出願され、「リゾ」の文字よりなり、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、昭和30年1月7日に設定登録された登録第457848号商標(以下、「引用商標」という。)を引用する。

本件商標は「リゾエース」の文字よりなるが、構成文字中「エース」の文字は他の語と合わせて語頭若しくは語尾に付されて用いられたときは、「スーパー」「ゴールド」等と同様に、商品の品位、品質を表示する趣旨で「優れた」「第1流の」等の意味を表す形容詞的な用法で用いられていること、ことに商品「薬剤」に関してその傾向が著しいことは、周知の事実であるので、本件商標については「リゾエース」の称呼が生じるとともに、その要部から、単に「リゾ」の称呼をも生じることは明らかである。

そして、実際に市販されている各種薬剤において、「エース」が商品の品位、品質を表すものとして使用されている。

1.藤沢薬品工業 ビタミン剤

ノイビタ と ノイビタエース

2.ライフィックス かぜ薬

エザック と エザックエース

3.カネボウ 水虫薬

サイク と サイクエース (以下略)

また、本件商標と同様に「エース」の文字部分を有する商標について類似と判断されている。

1.LUNA と ルナエース

2.モノエース/MONOACE と モノ/MONO

3.レバンエース/LEVANACE と RUBAN/ルバン (以下中略)

8.ルルエース と ルル

なお、登録異議申立人が平成1年6月1日に商標「LISOASE/リゾエース」(商願昭62−61284号)に対して行った異議申立の異議決定においては、「本願商標の上段に書された「LISOASE」の文字との関係から、商標中の「エース」の文字が商品の品質を表示するものとして認識されるよりは一連の造語として認識される。」と判断された。

しかし、本件商標は片仮名文字のみからなる商標であるから、「エース」の文字は、明らかに商品の品位・品質を表示するものとして認識されるものである。

したがって、本件商標と引用商標は「リゾ」の称呼を共通にする類似の商標である。また、本件商標と引用商標はその指定商品についても抵触するものであるので、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。

3 本件商標に対する取消理由

当審において、平成14年2月21日付取消理由通知書をもって商標権者に対して通知した本件商標の取消理由は、要旨つぎのとおりである。

本件登録第4472187号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年5月23日に登録出願され、「リゾエース」の片仮名文字を標準文字とし、第3類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成13年5月11日に設定登録されたものである。

これに対して、登録異議申立人が引用する登録第457848号商標(以下「引用商標」という。)は、「リゾ」の片仮名文字を縦書きしてなり、昭和28年2月16日に登録出願され、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、昭和30年1月7日に設定登録されたものである。

そこで、本件商標と引用商標を比較すると、本件商標は、前記のとおり「リゾエース」の文字よりなるところ、その構成文字中の「エース」の文字は、商品の品位、品質が「優れたもの」「第一流のもの」等であることを意味する誇示誇称的な語としてしばしば使用され、この傾向はとりわけ薬剤に関して多く認められるところである。

そうとすれば、本件商標に接する取引者・需要者は前半部の「リゾ」の文字に注意が惹かれ、これより生ずる「リゾ」の称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標からは「リゾエース」の称呼のほか「リゾ」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。

他方、引用商標は、前記のとおりであるから、その構成文字に相応して「リゾ」の称呼を生ずること明らかである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、「リゾ」の称呼を共通にする称呼上、類似する商標であり、また、本件商標の指定商品中「薬剤」と引用商標の指定商品は同一又は類似の商品と認められるものである。

したがって、本件商標は、指定商品中「薬剤」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわなければならない。

4 商標権者の意見

上記取消理由に対して、商標権者は、その意見を要旨次のように述べている。

本件商標を構成する文字は、同書、同大、同間隔に記載されている。「リゾ」は単なる造語であり、それ自体何の観念も生じない。したがって、本件商標を「リゾ」と「エース」に分断して外観、観念を検討する格別の理由はなく、本件商標は5音という比較的短い音数であることもあり、「リゾエース」と一気に称呼するのが極めて自然である。

してみると、本件商標からは「リゾエース」の称呼をのみ生じ、本件商標と引用商標とは、語頭の2音を共通にするとはいえ、前者が5音、後者が2音という音数の差異とも相俟って、全く別のものとして聴取されるとみるのが相当である。

登録異議申立人は、「ルルエース」と「ルル」の例を引用しているが、この「ルル」は著名商標であるため、当該「ルルエース」が分断されることは納得できる。しかし、著名とは思われない引用商標「リゾ」を同様に取り扱おうとする登録異議申立人の主張は失当である。

加えて、存続期間が満了したが、本件商標と同一の「リゾエース」の称呼が生じる登録商標があり、一方、引用商標も更新登録されて現在に至っている。この事実からも、本件商標と引用商標とが相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるをえない。

5 当審の判断

本件商標について、その指定商品中の「薬剤」について、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由は妥当であり、本件商標は、この点に関し、他人に係る登録商標と類似のものといわざるをえない。

商標権者は、本件商標を「リゾ」と「エース」に分断して検討する格別の理由はない旨いうが、取消理由通知書で示したように、本件商標構成中の「エース」の文字は、商品の品位、品質が「優れたもの」「第一流のもの」等であることを意味する誇示誇称的な語としてしばしば使用され、この傾向はとりわけ薬剤の分野で多く認められることは、登録異議申立人が提出した医薬品・医療衛生用品価格表によっても窺い知ることができる。

そうとすると、本件商標は、片仮名文字をもって一連に表されたものではあるが、構成中の「エース」の文字が上記したとおりの事情にあり、本件商標に接する取引者・需要者は前半部の「リゾ」の文字に注意が惹かれ、これより生ずる「リゾ」の称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は、引用商標と観念及び外観について考慮しても、「リゾ」の称呼を共通にする点で紛らわしく、その出所について混同を生ずるおそれがある類似の商標といわなければならない。

なお、商標権者が引用する登録例は、本件商標とは商標の具体的構成において事案を異にするものであって、それらを本件商標の類否判断の基準とするのは必ずしも適切でなく、この点について述べる商標権者の意見は採用することができない。

したがって、本件商標は、その指定商品中の「薬剤」について、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録は取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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