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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第6号「トルマリンパワーの識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2001−10812(T2001−10812/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2001−10812(T2001−10812/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
トルマリンパワーの識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第6号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2001−10812(T2001−10812/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第6号への該当性が争われた事例です。主な争点は「トルマリンパワーの識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類「化粧品,せっけん類,香料類,歯磨き」を指定商品として、平成12年2月21日に登録出願、その後、同13年2月14日付け手続補正書により、指定商品を「化粧水」に補正されたものである。

2.原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『トルマリンの持つ力』の意味を認識させる『TOURMALINE POWER』の文字を二段に書してなるものと、品番・規格等を表示する記号・符号として一般に使用されている2桁のローマ字を中黒で結んだ『T・P』と、『きれいな化粧水』を意味する『PURE LOTION』及びこれらの下に横線を引いた下に『T・P ピュア ローション』の文字を書してなるものである。そうすると、本願商標は、単に『トルマリンの持つ力を利用した不純物のない化粧水』程の意味を認識させるにすぎないから、これを指定商品中、例えば『トルマリンを原材料とした化粧水』に使用しても、これに接する需要者が何人の業務に係る商品であるかを認識できないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3.当審の判断

本願商標は、前記のとおり、上部に「TOURMALINE」と「POWER」の欧文字を二段に書し、少し空間をあけて下部に横線を挟んで「T・P PURE LOTION」と「T・P ピュア ローション」の文字を二段に書してなるものである。

〔I〕 まず、上部の「TOURMALINE」と「POWER」の欧文字を二段に書してなる文字部分についてみると、その構成中「TOURMALINE」の文字部分は、「トルマリン。宝石の一種。電気石。」(リーダース英和辞典 研究社発行参照)を、「POWER」の文字部分は、英語で「力」を意味する語である。

1) そして、この「トルマリン」には、微弱電流を永久に発生続け、発生するエネルギーが遠赤外線効果を有すること、その周囲にマイナスイオンであるヒドロキシルイオンが形成され続けること等の特質があり、化粧水に使用したとき、この特質により、体内の細胞を活性化し正常な状態にもどす力を発揮する等の効果を有することから、現在では、以下に示すように、トルマリンを配合した化粧水が販売されている実情にある。

(i) 商品「シムラブロックアウト30ml」のホームページ(http://www.kenko.com/product/item_83211476072.html)の商品説明文には、「お肌にやさしい天然水と、マイナスイオンを発生する鉱物トルマリンからうまれたスプレー式化粧水です。」の記載がある。

(ii) 「アミティ・ビセキEXクリーム・ビセキシリーズ ビセキローション『Q』&『A』」のホームページ(http://www.sts-jpn.com/amenity/amity/a706.html)における「ビセキローション50ml ¥1600」を紹介するに関する質問と回答において、「超微粒子トルマリン入りのアミティ・ビセキEXクリーム及びビセキシリーズの発売元の『株式会社アミティ』は、特殊な技術によりトルマリンを細かい粒子にすることに成功し、皮膚の深部にすみやかに浸透し、他のトルマリンクリーム類とは一線を画し、高い即効性を発揮します。超微粒子トルマリン入りのビセキローションでは、肌を傷つけることは全くありません。」の記載がある。

(iii)「美と健康をお届けするトルマリン@SHOP」の「イオニスローション100ml」を紹介するホームページ(http://www.tourmaline.co.jp/goods/70012.html)の商品説明に、「マイナスイオンを発生する、トルマリン入りモイスチャーローションです。従来の化粧水より水のクラスター(分子)が細かいため、肌にすーっと吸い込まれるような浸透性に優れる特性を持ち、みずみずしい潤いをしっかりキープします。」、及び「商品の主な配合成分」として「トルマリンパウダー」の記載がある。

そうすると、トルマリンには、上記特質から発揮される力があるといえ、また、その構成中の「POWER」の文字部分は、英語で「力」を意味する語として一般に広く知られた語であることからみて、「TOURMALIN」と「POWER」を二段に書した部分は、意味の上で結びつきやすく「トルマリンの持つ力」の意を表示する一体的なものと理解される場合が十分あるといえる。

2) 加えて、化粧水を扱う業界において、トルマリンの持つ力を表示するときに「トルマリンパワー」の語を実際に使用している事実も以下のとおり認めることができる。

(i)「ジュエリー&基礎化粧品」のホームページ(http://www.h7.dion.ne.jp/~ubber/sub3.html)の「【基礎化粧品】」の欄には、「肌の奥まで浸透するトルマリンのパワーを感じてください。」の下に「ピュアフレッシュ(化粧水)3800」の記載がある。

(ii)「自然派コスメ 美の原点へ」(http://www.cosme2000.jp/toramlin/)のホームページのトルマリン配合化粧品の商品紹介には、「トルマリンパワーでプルプル肌をGet・・老化予防や自然回復力に効果・・。トルマリンには、新鮮さを保とう、もとの状態に戻そうという力がとても強く働いている」の記載がある。

3) さらに、「トルマリン」を、商品の原材料、品質表示と認めている以下の判例がある。

(i)東京高裁平成11年(行ケ)第410号の判決(平成12年6月13日判決言渡)において、「現に、トルマリンを原材料に使用しその特質を利用したせっけんや化粧品を含む多岐に亘る商品が開発され、トルマリンの特質を利用した特別な効能のあるものとして宣伝され、あるいは、販売されている...『TOURMALINE SOAP』『トルマリンソープ』の文字は、商品の出所を表示する商標としてではなく、むしろ、『TOURMALINE』と『トルマリン』の部分が、商品の原材料や品質を表示したものであり、全体として原材料にトルマリンが使用されその特質から生じる効能を有する石けんを表示しているものと認識するであろうと容易に推認することができる」と認定している。

以上のことよりすれば、本願商標の構成中、上部の「TOURMARIN 」と「POWER」の文字を二段に書してなる文字部分は、「トルマリンの持つ力」程の意味合いを容易に理解させる語にすぎず、自他商品識別標識としての機能を有さない部分ということができる。

〔II〕 つぎに、下部の「T・P PURE LOTION」及び「T・P ピュア ローション」の文字部分についてみると、その構成中「T・P」の文字部分は、商品の品番・規格等を表示する記号・符号の一類型として認識されるにすぎないもの、その構成中「PURE」及び「ピュア」の文字部分は、「純粋な、まじりけのない」を意味する語であって、商品の品質を表示するにすぎないもの、そして、その構成中「LOTION」及び「ローション」の文字部分は、「化粧水」を意味する語にすぎないものであるから、下部の「T・P PURE LOTION」及び「T・P ピュア ローション」の文字部分は、全体として、自他商品識別標識としての機能を有しない部分と認められる。

そうすると、本願商標は、下部、上部いずれの構成文字部分にも自他商品識別としての機能を有する部分がなく、全体として、単に、「トルマリンの持つ力による効能があるまじりけのない化粧水」程の意味合いを理解させるにすぎないものと判断するのが相当である。

してみれば、本願商標をその指定商品中、上記意味合いに相応する商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者が、単に上記意味合いを理解するに止まり、何人の業務にかかる商品であるかを認識することができないものと認められ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあると認められるものである。

おって、請求人は、「書籍やインターネット上のホームページにおいて『トルマリンパワー』の語句が記載・表現されている事実があるとしても、本願商標はその文字全体で特定の語義を有さない一連の造語と認識される。」旨主張しているが、本件については、上記のとおり判断するのが相当と認められるから、請求人の主張を採用することはできない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りではない。

よって、結論のとおり審決する。

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