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結論

敗訴(請求棄却)

商標「AIRpants」と「AIR」の要部抽出と称呼の類似性(第4条第1項第11号|審判不服2010−17621(T2010−17621/J1))

審判番号
不服2010−17621(T2010−17621/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「AIRpants」引用商標「AIR」
争点(論点)
要部抽出と称呼の類似性
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2010−17621(T2010−17621/J1)・不服)は、本件商標「AIRpants」と引用商標「AIR」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「要部抽出と称呼の類似性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「AIRpants」の文字を標準文字で表してなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成21年8月24日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりである。

(1)登録第502137号商標(以下「引用商標1」という。)は、「AIR」の欧文字と「エアー」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、昭和31年7月21日登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和32年5月18日に設定登録、同53年1月13日、同62年6月18日、平成9年5月23日、同19年5月22日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同19年11月7日に第24類「布製身の回り品」、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,防暑用ヘルメット,帽子,運動用特殊衣服(剣道衣・柔道衣・空手衣を除く。),マラソン足袋,地下足袋」及び第26類「こはぜ,ボタン」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

(2)登録第4327964号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成8年3月5日に登録出願、第25類「被服,靴底に空気もしくは高圧ガスを内蔵させた構造からなる運動靴,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同11年10月22日に設定登録、同21年8月11日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と各引用商標との類否について

本願商標は、前記1のとおり、「AIRpants」の文字を標準文字で表してなるところ、大文字で書された「空気」を意味する「AIR」の語と、小文字で書された「ズボン、下ばき」の意味を有する「pants」の語とを結合したものと容易に看取されるものである。

そして、その構成中の「pants」の文字については、例えば、「新・田中千代服飾事典 第一版新訂」(株式会社同文書院発行)によれば、「パンツ[Pants]両脚を別々に包む形の下体衣。・・・日本では,パンツというとパンティーズなどの下着をさす語として用いられることが多いが,1970年代後半ころからはズボンをさす言葉としても用いられている。・・・」及び「広辞苑 第六版」(株式会社岩波書店発行)によれば、「パンツ【pants】ズボンに同じ。運動するときなどにはく短いズボン。ズボン風の下ばき。ズロース・ブリーフなど。」との記載もされているところであって、一般に本願商標の構成中「pants」の文字は、本願の指定商品の普通名称、あるいは形状、用途等の品質を表したものと理解されているものである。

したがって、当該「pants」の文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか、又は、その機能が極めて弱いというべきものである。

そうとすると、本願商標に接した取引者、需要者は、構成中前部に位置し、自他商品の識別標識として強く印象づけられる「AIR」の文字部分に着目し、これより生ずる称呼、観念をもって取引に当たる場合も決して少なくないものというのが相当であるから、本願商標は、その構成文字全体に相応した「エア(ー)パンツ」の称呼のほかに「AIR」の文字部分に相応した「エア(ー)」の称呼及び「空気」の観念をも生ずるものと判断するのが相当である。

他方、引用商標1は、上記2(1)のとおりの構成よりなるところ、その構成文字である「AIR」及び「エアー」の文字部分に相応して「エア(ー)」の称呼及び「空気」の観念を生ずるものである。

次に、引用商標2は、前記2(2)のとおりの構成よりなるところ、その構成中の文字「AIR」に相応して「エア(ー)」の称呼及び「空気」の観念を生ずるものである。

してみれば、本願商標と各引用商標とは、外観において差異を有するとしても、称呼及び観念を共通にする互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品と各引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。

(2)請求人の主張について

請求人は、本願商標は外観上まとまりよく構成されている、本願商標を分離して看取させたいときは、各語の間にスペースを設け、各語の一文字目を大文字で表記するのが自然である、製品名等を表記する場合、最初の数文字とその他の文字を異なる大きさで表記するのは、非常に良く行われる等と述べて、本願商標は一体不可分であると主張する。

しかしながら、本願商標が、我が国でよく知られている成語同士を結合したものであり、その表記方法から視覚上も分離して観察され、さらに、指定商品との関係において本願商標構成中の「pants」の文字が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか、極めて弱い語であることは、上記(1)のとおりである。

また、請求人は、本願商標から生じる称呼は冗長ではなく、その称呼「エアーパンツ」は、よどみなく一連に称呼されるから、これが自然の称呼であり、本願商標から「エアー」の称呼は生じないと主張する。

しかしながら、本願商標構成中「AIR」の文字が、自他商品の識別標識としての機能を果たすことは、上記(1)のとおりであるところ、当該構成部分に相応して「エア(ー)」の称呼をも生じるというのが相当である。

また、請求人は、本願商標から特定の観念は生じず、全体として特定の意味合いを有しない造語であると主張する。

しかしながら、本願商標構成中「AIR」の文字が、自他商品の識別標識としての機能を果たすことは、上記(1)のとおりであるところ、当該構成部分に相応して「空気」の観念を生じるというのが相当である。

さらに、請求人は、本件の各引用商標があるにもかかわらず、登録された商標があるとして、当該商標登録と本件各引用商標が類似しないならば、本願商標と各引用商標とは類似しない旨を主張する。

しかしながら、商標の類否の判断は、比較する両商標について個別具体的に考察し、検討されるべきものであって、他の商標登録の存在によって、その判断が左右されるものではない。

したがって、請求人の主張は、いずれも採用することはできない。

(3)まとめ

以上からすれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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