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結論

敗訴(請求棄却)

商標「浅間山」の産地表示と識別力(第3条第1項第3号|審判不服2013−8335(T2013−8335/J1))

審判番号
不服2013−8335(T2013−8335/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「浅間山」
争点(論点)
産地表示と識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2013−8335(T2013−8335/J1)・不服)は、本件商標「浅間山」について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「産地表示と識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「浅間山」の文字を標準文字により表してなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」を指定商品として、平成24年4月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『浅間山』の文字を標準文字で表してなるところ、『浅間山』とは、長野・群馬両県にまたがる三重式の活火山で、上信越高原国立公園にも指定され、登山はもとより観光地としても広く知られている名峰の一つであるから、これをその指定商品について使用しても、本願商標に接する取引者・需要者は、該商品が『浅間山周辺地域で製造、販売された商品』であると認識するに止まり、単に、商品の産地、販売地、品質を表示するにすぎないものであると認められるので、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「浅間山」の文字を標準文字により表してなるところ、該文字は「長野・群馬両県にまたがる三重式の活火山。」を指称するもの(広辞苑 第6版)である。そして、当該活火山は、複数の登山道を有し、その麓には観光地が点在し、次のように「浅間山」が観光の名所として広く紹介されている。

「浅間山」南麓の長野県側に位置する「軽井沢」においては、軽井沢観光協会公式ホームーページに、「軽井沢を知る」の項で「浅間山の自然」として「浅間山」が紹介され、また、群馬県側に位置する「嬬恋村」のウェブサイトには、「嬬恋村の観光」の項で「花だより・花図鑑,浅間山周辺」として「浅間山」の周辺における花が紹介され、さらに、登山道を有する長野県小諸市のウェブサイトにおいては、「小諸市観光案内」の「主な観光地のご紹介」として、一番上に「浅間山」が紹介されている。そして、小諸市のウェブサイトには、小諸市が作成した観光パンフレットが複数掲載されており、それらの中に「浅間山」の地域に特化した「上信越高原国立公園 浅間連峰 浅間山登山」のパンフレットが存在するなど、「浅間山」が各地域の観光のシンボルとして利用されている実情がある。

ところで、観光地では、各種土産物や特産品が販売されているところ、本願指定商品との関係においても、地域の特性を生かした「地ビール」や「ミネラルウォーター」などの販売が一般的に行われており、上記「浅間山」の周辺地域においても、別掲のとおり、地ビールやミネラルウォーターが生産・販売されていることが認められる。

そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、「長野・群馬両県にまたがる活火山である浅間山の地域」で生産又は販売されているものであることを認識させるとみるのが相当であり、単に商品の産地・販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

請求人は、「浅間山」の文字を名称とする山が日本において多数存在していること、また、本願の指定商品の分野においても、現存する山の名称を標章とする登録商標が多数存在していることからすれば、山の名称を使用したとしても、それが直ちに商品の産地、販売地として認識されるというものではなく、「浅間山」を本願の指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、殊更に「長野・群馬両県にまたがる三重式の活火山で、上信越高原国立公園にも指定され、登山はもとより観光地としても広く知られている名峰」を特定し得るというべきでなく、地理的名称として指定商品の産地を表しているものとは理解し難いものである。また、請求人は、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒」において「浅間山」の商標を登録しており、本願の指定商品「ビール」と類似する商品を含むこの登録商標を約20年間使用しているという取引の実情が存在することからも、本願商標は、自他商品識別標識としての機能を十分に備えている旨主張している。

しかしながら、本願商標は、上記のとおり、「長野・群馬両県にまたがる活火山である浅間山」であることを認識させるというのが相当であり、当該地域以外の「浅間山」が観光名所として利用されるなど、商品の産地・販売地として直ちに理解されるという事実を見いだすことはできない。また、請求人が挙げた過去の登録例は、商標の具体的構成等において本願商標とは事案を異にするものであり、さらに請求人の有する登録商標は、本願商標とは判断時期を異にし、別掲のとおり、長野・群馬両県にまたがる活火山である浅間山の周辺地域において、地ビールやミネラルウォーターが生産・販売されている実情があることからすれば、本願商標は、これらの登録例に左右されることなく、上記のとおり判断するのが相当である。

したがって、請求人の主張は採用することができない。

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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