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結論

勝訴(請求認容)

商標「Thai heritage」と「Heritage」の失効商標の類否判断(第4条第1項第11号|審判不服2014−16858(T2014−16858/J1))

審判番号
不服2014−16858(T2014−16858/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「Thai heritage」引用商標「Heritage」
争点(論点)
失効商標の類否判断
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2014−16858(T2014−16858/J1)・不服)は、本件商標「Thai heritage」と引用商標「Heritage」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「失効商標の類否判断」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「Thai heritage」の欧文字を標準文字で表してなり、第30類及び第32類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年8月12日に登録出願され、その後、指定商品については、平成26年3月18日受付けの手続補正書をもって、第30類「タイ国産のソース(調味料),タイ国産のカレーペースト,タイ国産の調味料,タイ国産の香辛料」及び第32類「タイ国産のフルーツジュース,タイ国産のココナッツ水(飲料),タイ国産の清涼飲料,タイ国産の果実飲料,タイ国産の飲料用野菜ジュース」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、下記の2件(以下2件をまとめていうときは「引用商標」という。)である。

なお、引用商標は、いずれも、原査定後の平成26年5月31日に商標権の存続期間が満了し、商標法第20条第3項の規定による更新登録の申請もなかったので、同条第4項の規定により、その商標権は、存続期間の満了の時にさかのぼって消滅したものとみなされるものである。

(1)登録第2658593号商標は、別掲1のとおりの構成からなり、平成4年2月10日に登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年5月31日に設定登録され、その後、同17年5月6日に、別掲2のとおりの商品を指定商品とする書換登録がされたものである。

(2)登録第2667075号商標は、別掲1のとおりの構成からなり、平成4年2月10日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年5月31日に設定登録され、その後、同17年5月6日に、別掲3のとおりの商品を指定商品とする書換登録がされたものである。

3 当審の判断

(1)引用商標は、前記2のとおり、商標法第20条第4項の規定により、その商標権は、存続期間の満了の時に消滅したものとみなされているものである。

そうすると、商標権が消滅した登録商標の存在を理由に商標法第4条第1項第11号に該当するということはできないから、本願商標は同号に該当するということはできない。

(2)しかし、仮に、引用商標が商標法第21条第1項の要件を満たすならば、更新登録の申請をすることは可能であり、その申請があったときは、同条第2項の規定により、存続期間の満了の時にさかのぼって更新されたものとみなされることになるので、以下、本願商標と引用商標の類否をあわせて検討することとする。

ア 本願商標

本願商標は、「Thai heritage」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成態様は、「Thai」と「heritage」の文字部分の間にスペースはあるものの、該文字は同じ大きさ、同じ書体をもって、視覚上、まとまりよく一体的に表されているものである。

そして、本願商標の構成文字に相応して生じる「タイヘリテージ」の称呼も、格別冗長ではなく、一気一連に称呼し得るものである。

また、本願商標は、その構成中の「Thai」の文字部分が、「タイ国の」の意味を、「heritage」の文字部分が、「遺産」の意味を有する英語(ランダムハウス英和大辞典 小学館)であり、全体としては「タイ国の遺産」ほどの観念を生じるものである。

そうすると、本願商標は、その構成文字全体をもって一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して「タイヘリテージ」の称呼を生じ、「タイ国の遺産」の観念を生じるものといえる。

イ 引用商標

引用商標は、別掲1のとおり、「Heritage」の欧文字(2文字目の「e」にはアクサンテギュが付されている。)に下線をひいた構成からなるところ、該文字は、その構成中のアクサンテギュを踏まえ、フランス語読みをするならば、「エリタージュ」の称呼が、また、我が国で親しまれた英語読みをするならば、「ヘリテージ」の称呼を生じるものである。そして、その構成文字に相応して「遺産」の観念を生じるものである。

そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「エリタージュ」又は「ヘリテージ」の称呼が生じ、「遺産」の観念を生じるものである。

ウ 本願商標と引用商標の類否

本願商標と引用商標とは、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成であって、外観においては、その構成文字数、書体、下線の有無など明らかな差異を有するものであるから、外観上、明確に区別し得るものである。

そして、称呼においては、本願商標は「タイヘリテージ」の称呼を生じるものであるのに対し、引用商標は「エリタージュ」又は「ヘリテージ」の称呼を生じるものであり、その音数及び音構成が明らかに異なるものであるから、本願商標と引用商標とは、称呼上、明確に聴別し得るものである。

さらに、本願商標から生じる「タイ国の遺産」の観念と、引用商標から生じる「遺産」の観念も、タイ国のものであるか否かで異なるものであるから、本願商標と引用商標とは、観念上、相紛れるおそれがあるということはできないものである。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれがあるということはできないものであるから、非類似の商標ということができる。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、引用商標についての商標法第21条第1項の規定による更新登録の申請の有無にかかわらず、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということができない。

したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消を免れない。

その他、本願についての拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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