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商標「ABD」の略語の記述性と品質誤認(第4条第1項第11号・第4条第1項第16号・第3条第1項第3号・第4条第1項第15号|審判異議2000−90416(T2000−90416/J7))

審判番号
異議2000−90416(T2000−90416/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「ABD」
争点(論点)
略語の記述性と品質誤認
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第16号・第3条第1項第3号・第4条第1項第15号
指定商品・役務の区分
第12類
最終結論
登録取消(勝訴(請求認容))

この審決(審判異議2000−90416(T2000−90416/J7)・異議)は、本件商標「ABD」について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第16号・第3条第1項第3号・第4条第1項第15号への該当性が争われた事例です。主な争点は「略語の記述性と品質誤認」です。指定商品・役務は第12類に属します。特許庁は「登録第4349908号商標の商標登録を取り消す」と判断しました(登録取消)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4349908号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4349908号商標(以下「本件商標」という。)は、「ABD」の欧文字を横書きしてなり、平成10年8月27日登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年1月14日に設定登録されているものである。

2 登録異議の申立て理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の(1)ないし(4)に示す取消理由に該当するから、本件商標は、取り消されるべきであると主張している。

(1)本件商標は、滑りやすい路面での発進・加速時の安定性を向上させる自動車用の装置「Automatic Brake Differential」のそれぞれの頭文字からなる略語である。したがって、本件商標をその指定商品に使用するときは、その商品が、滑りやすい路面での発進・加速時の安定性を向上させる自動車用の装置「Automatic Brake Differential」を装備しているという商品の品質の表示として取引者、需要者に認識されるというのが相当であるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)本件商標は、指定商品との関係においては、「Automatic Brake Differential」を装備している商品であるかの如き意味合いを認識させるものであり、かかる装置を装備しない商品について使用した場合には、商品の品質について誤認が生ずるから、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(3)登録第2365175号商標(以下「引用A商標」という。)は、「ABB」の文字を書してなり、昭和63年7月15日登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品および附属品」を指定商品として平成3年12月25日に設定登録されたものであり、同じく、登録第2705695号商標(以下「引用B商標」という。)は、「ABB」の文字を書してなり、スイス国において、1988年5月11日にした商標登録出願に基づいて優先権を主張し昭和63年7月15日登録出願、第9類「産業機械器具、動力機械器具、風水力機械器具、事務用機械器具、その他の機械器具で他のに属しないもの、これらの部品および附属品、機械要素」を指定商品として、平成7年3月31日に設定登録されたものである。

引用A商標及び引用B商標をまとめて「引用商標」という。

申立人は、引用商標を引用し、本件商標と引用商標とは、商標において、称呼および外観において類似する商標であり、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一または類似する商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(4)引用商標は、申立人の商標として著名であるから、本件商標をその指定商品に使用するときは申立人の製造販売に係る商品であるかの如く出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 本件商標に対する取消理由

本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとして通知した取消理由は、次のとおりである。

<取消通知>

申立人提出に係る甲各号証によれば、「ABD」の文字は「滑りやすい路面での発進・加速時の安定性を向上させる自動車用の装置(Automatic Brake Differential)」の略語であり、ベンツやポルシェ等が装備している事実を認め得るものである。

してみれば、本件商標をその指定商品中装置を装備している商品について使用した場合は、単に該商品の品質を表示するにすぎないものとみるのが相当である。

さらに、本件商標を上記以外の商品について使用した場合は、上記商品を装備しているかの如く商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

4 商標権者は、上記3の取消理由に対して指定期間内に何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

本件商標は、上記3の理由のとおり、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであると認められるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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