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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第15号「著名商標の混同のおそれ」の商標審決・判断理由(審判番号:平成10年審判第8936号|請求不成立)

審判番号
平成10年審判第8936号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「アシェット フィリパキ プレス ソシエテ アノニム」
争点(論点)
著名商標の混同のおそれ
適用条文
第4条第1項第15号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成10年審判第8936号・不服)は、本件商標と引用商標「アシェット フィリパキ プレス ソシエテ アノニム」について、商標法第4条第1項第15号への該当性が争われた事例です。主な争点は「著名商標の混同のおそれ」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙(1)に表示したとおり「ELLECLUB」の欧文字を横書きしてなり、第24類「織物,布製身の回り品,ふきん,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,テーブル掛け,どん帳,シャワーカーテン」を指定商品として、平成8年1月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、フランス国92534 ルヴァロア ペレ 在の『アシェット フィリパキ プレス ソシエテ アノニム』が雑誌等に使用している著名な商標『ELLE』の文字を含むものであるから、これを出願人が指定商品に使用するときは上記会社もしくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)原査定において引用する「ELLE」の商標(以下、「引用商標」という。)は、別紙(2)に表示したとおりのものであって、フランス国 ルヴァロア ペレ セデックス リュー アナトール フランス149番に所在する「アシェット フィリパキ プレス ソシエテ アノニム」(以下、「アシェット社」という。)が、昭和20年(1945年)にフランスで引用商標を題号として使用した女性向けファッション雑誌(以下、「雑誌『ELLE』」という。)を創刊した(株式会社研究社1991年発行「英和商品名辞典」141頁「Elle エル」の項参照。)。その後、アシェット社は、アメリカ合衆国、イギリス(メディア・リサーチ・センター株式会社1988年6月10日発行「雑誌新聞総カタログ1988年版(第10版)」944頁「ELLE/アメリカ版」、「ELLE/イギリス版」の項参照。)を始め世界各国で雑誌「ELLE」を発行している。

日本においては、昭和57年に株式会社マガジンハウスが雑誌「ELLE」の日本語版を発行し、その後、株式会社タイムアシェト ジャパンがこれを承継して現在に至っていることを認めることができる。なお、昭和54年7月20日増補版第二刷「増補版服飾大百科事典下巻」(文化出版局 発行)には、「エル」の項目に、アシェット社のファッション雑誌がファッション中心に編集したフランスの若い女性向きの週刊誌であり、最近では「エル・ファッション」と呼ばれ、全世界の若い女性たちの間に支持者を持つようになっている旨の記載があり、昭和63年9月5日第10刷「服飾辞典」(同文化出版局 発行)にも、「エル・ファッション」の項目に、フランスの女性雑誌「ELLE」によって生み出されたファッションのことと記載されている。

(2)アシェット社は、引用商標の商品化活動を推進し、昭和39年以降は帝人株式会社を介して、昭和59年7月からは自ら設立した東洋ファッション開発株式会社(平成4年7月1日、エルパリス株式会社に商号変更)を介して、日本国内においても多数の企業に対して引用商標の使用を許諾し、現在までに、それら使用権者により、被服、アクセサリー、バック類、はき物、傘、時計、眼鏡製品、喫煙具、生活用品等多種類の分野につき、引用商標の付された商品が製造・販売されている(株式会社アパレルファッション昭和59年1月10日発行「月刊『アパレルファッション』別冊海外ファッション・ブランド総覧」163頁、164頁、198頁「エル ELLE」の項及び株式会社チャネラー昭和59年9月20日発行「別冊チャネラー’84−9/ファッション・ブランド年鑑’85年版」49頁、205頁、420頁「エル(ELLE)」の項、同社昭和59年1月10日発行「別冊チャネラー’86−9/ファッション・ブランド年鑑’87年版」47頁、214、216頁「エル(ELLE)」の項、同社1995年11月20日発行「別冊チャネラー’95−11/ファッション・ブランド年鑑’96年版」159頁、214頁「エル(ELLE)」の項参照。)。

(3)以上の事実に照らしてみれば、引用商標は、少なくとも、本願商標の出願時である平成8年1月19日以前には、「女性向けファッション雑誌」の商標として、我が国における取引者・需要者間に広く認識されていたものであり、また、本願商標の指定商品である「タオル,ハンカチ」をはじめ、「洋服、スカーフ,寝装寝具類,エプロン,手袋,かさ」等の各種商品の商標としても、取引者・需要者間に相当程度知られた周知かつ著名な商標と認められる。

(4)そうすると、本願商標は、別紙(1)に示すとおり「ELLECLUB」の欧文字を横書きしてなるものであり、本願商標をその指定商品に使用した場合には、前記実情からして、これに接する取引者、需要者は、本願商標の構成中の「ELLE」の文字に注目し、前記周知かつ著名になっているアシェット社に係る「ELLE」の商標を想起し、該商品がアシェット社又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

ところで、請求人は、アシェット社でない者に「エルクラブ/ELLECLUB」(登録第1935828号)が登録されていた例を示して種々主張しているが、その商標が登録されていた事実を考慮しても、前記のとおり認定できるものであるから、請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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