1 本願商標
本願商標は、「はじめて」の文字を標準文字で表してなり、第30類「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、平成15年9月10日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『新たに』又は『最初に』を意味する『はじめて』の文字を普通に用いられる方法をもって書してなるが、例えば、2003年10月6日付け日本外食レストラン新聞には『ラーメン特集:とんこつから醤油に回帰 キーワードは和風』の見出しの下に『ラーメンスープメーカーの新商品を見てみると、いずれも素材にこだわり、各社の技術の粋を集めた高品質なものがラインアップされている。・・・協和発酵工業が、業界ではじめて実現した無菌充填のガラスープは脚光の的である。』等のように、いわゆる食品を取り扱う業界においても、その商品の種類、味覚、品質等が全くの新しいものである旨や、商品の生産や販売の方法が全くの新しいものである旨、さらに、店舗などが全くの新しいものである旨などを紹介するために『はじめて』の語を普通に用いている実情があることからすれば、取引者、需要者がこのような語に注目し、商品の出所を識別するとは考え難いことから、これを、その指定商品に使用しても、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、「はじめて」の文字を書してなるところ、該文字が「新たに。最初に。」(広辞苑 第5版)の意味を有する語として、原審の示す食品業界紙の記事にみられるように、日常一般に用いられている語であるといえるものである。
しかし、原査定説示の如く、ある事柄について紹介するための用語として、「はじめて」の語が用いられることがあるとしても、これが独立して商品の種類、味覚、品質等、商品の生産や販売方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものとはいい難く、また、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できないものといえないものである。また、当審において職権をもって調査しても該文字が特定商品の品質等を表示するものとして、一般の取引の場で使用されているような事実は見出せないものである。
そうすると、本願商標は、その指定商品について使用しても、自他商品の識別機能を発揮し得るものというべきである。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するものとはできないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取り消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。