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結論

敗訴(請求棄却)

商標「エミスフェール」と「HEMISPHERES」の外国語商標の称呼認定(第4条第1項第11号|審判無効2006−89041(T2006−89041/J3))

審判番号
無効2006−89041(T2006−89041/J3)
審判種別
無効

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「エミスフェール」引用商標「HEMISPHERES」
争点(論点)
外国語商標の称呼認定
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
第25類
最終結論
登録無効(敗訴(請求棄却))

この審決(審判無効2006−89041(T2006−89041/J3)・無効)は、本件商標「エミスフェール」と引用商標「HEMISPHERES」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「外国語商標の称呼認定」です。指定商品・役務は第25類に属します。特許庁は「登録第4465596号の指定商品中第25類「被服」についての登録を無効とする」と判断しました(登録無効)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4465596号の指定商品中第25類「被服」についての登録を無効とする。
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4465596号商標(以下「本件商標」という。)は、「エミスフェール」の文字を標準文字で書してなり、平成12年5月9日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,べルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同13年4月6日に設定登録されたものである。

2.請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第1624716号商標(以下「引用商標」という。)は、「HEMISPHERES」の欧文字を横書きしてなり、第17類の願書に記載の商品を指定商品として、昭和55年1月28日に登録出願、同58年10月27日に第17類「被服,布製身回品,寝具類」を指定商品として設定登録されたものである。その後、同8年9月27日及び同15年11月25日に存続期間の更新がされ、指定商品については、同16年9月15日に、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」に指定商品の書換登録がされたものである。

3.請求人の主張の要旨

請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第8号証(枝番を含む)を提出した。

(請求の理由)

本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は商標法第46条第1項1号により無効とすべきものである。

(1)本件商標は引用商標と類似する。

本件商標は、前記の態様であるから「エミスフェール」の称呼を生ずる。

他方、引用商標からもその態様から「エミスフェール」の称呼を生ずる。

「HEMISPHERES」は、「半球」を意味するフランス語であり、また、本件商標の指定商品であり引用商標の指定商品である被服を取扱う業界では比較的フランス語がなじまれていることから、「HEMISPHERES」はフランス語読みに「エミスフェール」と発音される(甲3、同旨の審決、判決は多数ある)。

加えて、そもそも、引用商標「HEMISPHERES」は、著名なフランスのデザイナー ジャン−セバスチャン・ツバルク(故人。引用商標の出願人の一方であり、他方の出願人(現在の権利者でもある)は請求人の実母である。引用商標の現在の権利者の一方がジャン−セバスチャン・ツバルクの相続人である)が創作したブランドであるが、引用商標の登録された昭和58年から日本に導入され広く広告、宣伝、販売された。「HEMISPHERES」ブランドの婦人服は、被請求人の関連会社である株式会社ストックマン(甲4、甲5。なお、甲5に示す住所には株式会社ストックマンは登記されていない)がライセンシーとなり(子供服はレナウンがライセンシー)、昭和58年被請求人が設立され、被請求人が「HEMISPHERES」ブランドの婦人服を製造し、販売した(甲6、7枚目)。被請求人は、現在も「HEMISPHERES」ブランドの婦人服を製造し、青山店、玉川高島屋店、神戸店、大阪心斎橋店、京都店、名古屋店で販売し、広告宣伝している(甲6、甲7)。

即ち、被請求人は、ジャン−セバスチャン・ツバルク及びもう一人の権利者である請求人の実母の実質的なライセンシーであった。そして、現在は無断で引用商標を使用している。

被請求人は、「HEMISPHERES」ブランドの婦人服の販売広告宣伝に際し、「エミスフェール」を併記して使用したし、現に使用している。

従って、「HEMISPHERES」が「エミスフェール」と称呼することは、かかる使用によっても良く知られていた。実際、ネットのヤフーで「エミスフェール」で検索すると、約9710件ヒットし、「エミスフェール」と「HEMISPHERES」とを併記した見出しが幾つもある。

以上述べた通り、引用商標から「エミスフェール」の称呼が生ずること、明白である。

よって、本件商標は引用商標と類似する。

(2)本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と類似するものであり、かつ、引用商標の出願日、登録日は本件商標の出願日、登録日より先立つ

ものである。

(3)よって、本件商標は商標法4条1項11号に該当するものであるから、その登録は法46条1項1号により無効とすべきである。

4.被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁していない。

5.当審の判断

本件商標は、前記のとおり「エミスフェール」の片仮名文字よりなるから、構成文字に相応して、「エミスフェール」の称呼を生ずるものである。

これに対し、引用商標は、前記したとおり「HEMISPHERES」の欧文字よりなるところ、この綴り字は「(地球、天の)半球、半球体」を意味する英語の複数形と認められるから、これを英語読みにすれば「ヘミスフィアーズ」の称呼を生ずると認められるものであるが、同時に、「半球」を意味する仏語(複数形)の綴り字とも同じであることからすると、本件商標の指定商品(特に「被服」)を取り扱う業界においては、ファッションの発信地ともいわれるフランスとの関係において仏語が多く使用される実情を考慮した場合には、これを仏語読みにして「エミスフェール」(複数形は称呼されず。)の称呼をもって取引に資されることも決して少なくないと判断するのが相当である。

そうとすれば、引用商標からは、「ヘミスフィアーズ」の称呼のほか、「エミスフェール」の称呼をも生ずるものと認められる。

してみれば、本件商標と引用商標は、「エミスフェール」の称呼を同じくする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中「被服」と引用商標の指定商品中第25類「被服」とは同一又は類似のものといわなければならない。

したがって、本件商標は、その指定商品中「被服」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきであり、その余の指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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