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結論

勝訴(請求認容)

商標「宮城峡蒸留所」の施設名の識別力(第3条第1項第3号|審判不服2009−15211(T2009−15211/J1))

審判番号
不服2009−15211(T2009−15211/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「宮城峡蒸留所」
争点(論点)
施設名の識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2009−15211(T2009−15211/J1)・不服)は、本件商標「宮城峡蒸留所」について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「施設名の識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「宮城峡蒸留所」の文字を標準文字で表してなり、第35類「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,チーズ・その他の乳製品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛タンカレー・その他のカレー・シチュー又はスープのもと・加工水産物・その他の加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成19年6月29日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『宮城峡蒸留所』の文字を書してなるところ、該文字は宮城県仙台市青葉区にあるウイスキーの製造工場の名称と認められるものであって一般の人も工場を見学することができるものである。そして、その工場内はウイスキーの製造工場の見学ができるほかに、レストラン、試飲コーナーなどの施設があるから、これを本願指定役務に使用しても、その取り扱う商品が宮城峡蒸留所で販売しているものと認識するにとどまり、単に役務の提供の場所を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

商標法第3条第1項第3号の趣旨は、「本号列挙のものを不登録とするのは、これらは通常、商品又は役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから何人も使用をする必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものだから一私人に独占を認めるのは妥当ではなく、また、多くの場合にすでに一般的に使用がされあるいは将来必ず一般的に使用がされるものであるから、これらのものに自他商品又は自他役務の識別力を認めることはできないという理由による」とされているものである(社団法人 発明協会発行 工業所有権法(産業財産権法)逐条解説第17版)。

これを本件についてみると、本願商標は、前記1のとおり「宮城峡蒸留所」の文字を書してなるところ、これは、請求人が所有する宮城県仙台市青葉区に所在するウイスキーの蒸留所の名称として知られているものである(請求人インターネットウェブサイト(http://www.nikka.com/reason/introduction/miyagikyo/guidemap/index.html))。

そして、前記の蒸留所は、私人たる請求人の所有する施設であるから、その名称の使用についても、請求人の専権に属しているものであり、その名称について、何人にでも使用を開放しておく必要があるということはできないものである。

さらに、前記の蒸留所において、工場見学が可能でありレストラン等の施設が設置されているとしても、それをもって、本願の指定役務の提供場所ということはできないし、また、当審において調査するも、本願商標を構成する「宮城峡蒸留所」の文字が、本願の指定役務について、役務の提供場所を表示するものとして、取引上一般に使用されていると認めるに足りる事実も発見できなかった。

そうとすれば、本願商標を、その指定役務について使用しても、自他役務識別標識としての機能を有しないということはできない。

したがって,本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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