1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第16類「紙類,文房具類」を指定商品として、平成21年3月26日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同年12月11日受付け及び当審における同24年2月13日受付けの手続補正書により、最終的に、第16類「紙類,伝票」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして引用した商標登録第320441号商標(以下「引用商標」という。)は、「O.B.C.」の欧文字を書してなり、昭和13年12月13日登録出願、第2類「染料、顔料、媒染料及塗料」を指定商品として、同14年8月24日に設定登録、その後、5回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成21年8月5日に、第2類「染料,顔料,塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の金粉・銀粉,油絵の具,水彩絵の具,日本絵の具,媒染剤,塗料(色はく・切り粉・地の粉・砥の粉を除く。)」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとの認定、判断は、本願商標の指定商品中「伝票」(以下「本願商品」という。)と引用商標の指定商品中「油絵の具,水彩絵の具,日本絵の具」(以下「引用商品」という。)とが類似することが前提となっている。
しかして、商品の類否の判断は、取引の実情、即ち商品の生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲が一致するかどうか、完成品と部品との関係にあるかどうか等を総合的に考慮して判断をすべきものであり、その類否は、2つの商品に同一又は類似の商標が使用された場合、これに接する取引者、需要者が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるかどうかにより判断すべきものである。
そこで、本願商品と引用商品との類否を判断するに、本願商品は、会社・商店等で、金銭の出入や取引内容等を記入する用途に使用する一定の様式を備えた書類であり、主に、伝票の製造業者が生産するものである。
他方、引用商品は、絵画等に色をつける用途に使用するものであり、油絵・水彩画・日本画用に、油・水等で溶いて使用するものであって、主に、それぞれの絵の具製造業者が生産するものである。
これらより、両商品は、その生産部門、原材料、用途、需要者の範囲等において著しく相違し、また、完成品と部品との関係にないことも明らかであるから、両者に同一又は類似の商標が使用された場合において、これに接する取引者、需要者が商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商品と引用商品とは、互いに類似しない商品といわざるを得ない。
したがって、本願商標と引用商標はその指定商品において類似しないものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。