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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第11号「称呼の類似性」の商標審決・判断理由(審判番号:平成9年審判第17330号|請求不成立)

審判番号
平成9年審判第17330号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「商品の区分」
争点(論点)
称呼の類似性
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成9年審判第17330号・不服)は、本件商標と引用商標「商品の区分」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の類似性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本出願に係る商標(以下、「本願商標」という。)は、後掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第25類に属する商品を指定して平成6年12月1日登録出願、その後、指定商品については、原審における平成8年7月31日付手続補正書をもって、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,和服,エプロン,えり巻き,靴下,スカーフ,ネクタイ,ネッカチーフ」とする補正がされたものである。

2 当審における新たな拒絶の理由

当審において、本願商標を商標法第4条第1項第11号該当を理由として、その新たな拒絶の理由に引用した登録第2327734号商標(以下、「引用商標」という。)は、昭和63年8月12日登録出願、後掲(2)に示す構成よりなり、第17類(平成3年9月25日政令第299号による改正前の商標法施行令に基づく「商品の区分」)「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成3年8月30日に設定の登録がされたものである。

3 当審の判断

本願商標は、後掲に示す構成よりなるところ、昨今の広告・デザイン業界においては、商標の持つ広告的機能に着眼し、顧客の注意を喚起するべくそれに使用される文字、図形又は記号等にいろいろと変化を持たせ、個性的・特徴的に表現する手法が普通に取り入れられている事情よりすれば、該構成は、全体として欧文字の「Spra」を個性的・特徴的に表現したものと容易に感得し得るものである。

すなわち、毛筆体風の書体を用いて冒頭の「S」字形を大きくシンボリックにかつ全体を右上がりに表現してなる点に特徴を有するものとしても、それら手法は前述個性的表現の一類型と認識・理解されるとみるのが相当であって、殊更、冒頭の「S」字形を含めこれより何らの事物・事柄等をも想起させない幾何学的図形とのみ把握しなければならないような特段の事情はなく、また、その証左も見出せない。

そうすると、本願商標は、欧文字の「Spra」の文字に相応して、たとえば、世上親しまれ馴染まれている英語の「spring(春)」が「スプリング」、「spread(拡げる、伸ばす)」が「スプレッド」とそれぞれ読まれる如く、これを「スプラ」と読み、この称呼をもって取引に資するとみるのが取引の経験則に照らし相当である。

したがって、本願商標からは、「スプラ」の称呼を生ずるものといわなければならない。

他方、引用商標は、その構成後掲したとおり、細線輪郭線図とその内部上部位置に存する二つの黒点による抽象的擬人化図形を描き、同図内ほぼ中央位置に一瞥してそれと認識し得る欧文字の「SPRA」及び同文字幅の下線をやや肉太に大きく表し、同文字右肩位置に小さく「<スプラ>」の文字及び記号を表してなるものである。

しかして、該輪郭図形からは、何ら特定の事物・事柄等を想起し得ない固有の擬人化図形というべきものであり、また、同内部の欧文字又は片仮名文字部分も何らの意味合いをも想起し得ない造語というべきものであるから、これら文字及び図形の組み合わせを常に一体のものとして把握しなければならないような意味上の関連性は存しない。

そして、かかる場合、引用商標に接する取引者・需要者は、構成中の読み易く親しみ易い文字部分に着目し、同文字より生ずる称呼をもって簡便に取引に資するとみるのが取引の経験則よりみて相当である。

したがって、引用商標からは、前記「SPRA」又は「スプラ」の文字に相応して「スプラ」の称呼を生ずるものといわなければならない。

そうすると、本願商標と引用商標とは、「スプラ」の称呼を同じくする点で互いに相紛らわしく、たとえ、両者がその外観等において差異を有するとしても、口頭又は電話等による商取引、すなわち、商標より生ずる称呼を取引指標とすることがむしろ普通に行われるこの種衣料品の取引事情を併せ考慮すれば、なお、両者はその出所について混同を生じさせる虞のある類似の商標といわなければならない。

また、本願商標に係る指定商品は、旧類別第17類を包括的に指定する引用商標に係る指定商品中に内包されるものと認められる。

してみれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ないから、本願は、この理由をもって拒絶すべきものである。

なお、原査定が本願を拒絶すべきものとして引用した登録第1291902号商標に係る商標権は、存続期間満了により本権の登録の抹消が平成10年4月15日にされているので、本件については、別途拒絶理由の存否及びその当否について審理した。

よって、結論のとおり審決する。

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