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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「結合商標の記述性」の商標審決・判断理由(審判番号:平成11年審判第18406号|請求不成立)

審判番号
平成11年審判第18406号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
結合商標の記述性
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成11年審判第18406号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「結合商標の記述性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「AROMASTICK」の文字を横書きしてなり、第5類「アルコールの気化熱を利用して爽快感が得られる薬剤、天然ハーブの香りで清涼感が得られる薬剤、その他の薬剤」を指定商品として、平成10年7月29日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、『本願商標は、”芳香”等の意味を有する「AROMA」の語と”棒状のもの”等の意味を有する「STICK」の語を「AROMASTICK」と書してなるものであるところ、本願指定商品中には「芳香を有する棒状のアルコールの気化熱を利用して爽快感が得られる薬剤・天然ハーブの香りで清涼感が得られる薬剤・その他の薬剤」が含まれることに鑑みると、本願商標全体として ”芳香を有する棒状のもの”との意味あいを認識させるものと認める。よって、この様な商標を本願指定商品中、上記商品に使用するときは、単に商品の品質、形状を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは商品(役務)の品質(質)の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。』旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

本願商標は、「AROMASTICK」の欧文字を横書きしてなるもので、該文字は、同書、同大、等間隔に一連に書してなり、その称呼も「アロマスティック」であり、その音数も「促音を含む(ィッ)の音を2音としても、全体で8音の比較的適正な音数である。

そして、これよりは、よどみなく「アロマスティック」と一連の称呼のみ生じる、特定の観念を有しない商標よりなる。

もっとも、原審は、“芳香”等意味を有する「AROMA」の語と”棒状のもの”等を意味する「STICK」の語を「AROMASTICK」と書してなるから、”芳香を有する棒状のもの”に使用するときは、上記法条にてらし拒絶するとしたものである。

しかしながら、商標の構成中「AROMA」の語は「芳香」の意を有する語であることは否定しない。また、「STICK」の語が「棒状」の意を有する語であることも否定しないが、それぞれ「AROMA」(芳香)と「STICK」(棒状)の2語がそれぞれ「AROMA」の語が「AROMATES」(香味野菜、たまねぎ)としてよく使用され、「STICK」の語が(杖を表す語)としてよく知られているとしても、この2語を組み合わせた「AROMASTICK」の文字全体からは、「アルコールの気化熱を利用して爽快感が得られる薬剤,天然ハーブの香りで清涼感が得られる薬剤及びその他の薬剤」の商品として具体的にどの様な商品かを直ちに想起しがたいものである。

また、「アルコールの気化熱を利用して爽快感が得られる薬剤,天然ハーブの香りで清涼感が得られる薬剤」について「AROMASTICK」の文字として品質(質)を表す語として使用されている事実は見当たらない。

したがって、本願商標を構成する「AROMASTICK」の文字は、特段の意味が看取できない一連の一種の造語とみざるを得ないものである。

結局、本願指定商品について使用しても自他商品の識別標識の機能を有し、かつ、商品の品質について誤認を生じるおそれもないものである。

4 当審の判断

本願商標は、「AROMASTICK」の文字を横書きしてなるところ、「アロマ(AROMA)」には、「芳香、香料」の語義が、また、「スティック(STICK)」には、「棒状のもの」の語義が認められる(「広辞苑」新村 出編者、株式会社岩波書店、1998年11月11日第五版第一刷発行参照)。

ところで、昨今は、「アロマセラピー」、「アロマコロジー」等、「アロマ」についての関心が高まっているところであって、各種の香料、薬草、化学成分などを使い、神経、呼吸器、循環器、消化器など各系統に刺激を与え治療する芳香療法も盛んに行われているところであって、そのもととなる香料もギャレ(ポプリ)、オイル、パウダー、スプレー、サシェ・ハンガー、お香、キャンドル等いろいろの種類があって、お香にもスティック、コーン、コイル等の形状のものが販売されている。

例えば、東京都中央区銀座4−9−1所在の「ESTEBAN」の東京店のカタログには、「パープルボックス スティック42本入」、「アンバー スティック 32本入」、また、大阪市東成区中道1−5−13所在の「玉初堂」のカタログには、「スティック レギュラーセット 45本入」、「スティック エコノミー 60本入」のようにジャスミン、ラベンダー、ティーローズ、バイオレット、ミント等の調合された線香と同じ様な棒状の形をしたものが掲載されている。

そうすると、「AROMASTICK」の文字よりなる本願商標は、その指定商品中、「天然ハーブの香りで清涼感が得られる薬剤」に使用するときには、これに接する取引者、需要者をして、「棒の形状をした香料を利用した天然ハーブの香りで清涼感が得られる薬剤」の如き意味合いを理解、認識させるものと判断するのが相当であるから、商品の品質、形状を表示するに止まり、商品の自他識別の標識としての機能を果たし得ないものであって、全体として商品の品質を普通に用いられる方法により表示した標章のみからなるものといわなければならない。

請求人は、過去の審決例を挙げて種々主張しているが、本査定時における「AROMASTICK」という語の持つ意味、指定商品との関係、組み合わせた語句との関係等を無視して一般的に比較することはできないと言わざるを得ず、既審決例等があることをもって、本願商標の識別力についての前示認定判断を覆すことはできない。

したがって、本願商標について商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品「棒の形状をした香料を利用した薬剤」以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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