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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「使用による識別力獲得」の商標審決・判断理由(審判番号:平成11年審判第8040号|拒絶査定取消・登録)

審判番号
平成11年審判第8040号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
使用による識別力獲得
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判平成11年審判第8040号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「使用による識別力獲得」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第29類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成9年7月16日に登録出願、その後、指定商品については同11年1月27日付手続補正書により「クロテッドクリーム」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、その指定商品との関係においてその構成中に『Clotted cream』を想起させる『Clotted』の文字とありふれた氏と認められる『中沢』の文字を有してなるから、これをその指定商品中『乳製品』に使用しても、単に、『中沢さん』または『中沢製造販売会社』のスコーンに添えられる乳白色のクリームとしか認識されず、自他商品識別標識としての機能を有しないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。なお、出願人は、本願商標が取引者、需要者に広く認識されているとして種々の資料を提出しているが、それら資料によっても使用の結果出願人の業務に係る商品であることを認識できるに至っているものとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

本願商標は、別掲のとおり「Clotted」と「中沢クロテッド」の文字を二段に書してなるものであるところ、その構成中の「Clotted」「クロテッド」の文字部分は、指定商品との関係から「クロテッドクリーム」を意味する語と認識し把握されるものとみるのが相当であり、また、その構成中の「中沢」の文字部分はありふれた氏と認められるものである。

そうとすれば、本願商標は、「中沢の製造・販売に係るクロテッド」の意味合いを表現したものと容易に理解し、認識せしめるものというべきであって、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないものとみるのが相当である。

してみると、本願商標は、前項1のとおり指定商品の補正により、商標法第4条第1項第16号には該当するものではないが、これをその指定商品について使用しても、単にその商品の品質を表示するにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

(2)商標法第3条第2項について

請求人は、本願商標が、実際の市場において、商標法第3条第2項の要件を具備するものであると主張し、証拠方法として甲第1号証ないし同第43号証を提出している。そこで、請求人の前記甲各号証について検討するに、以下のことが認められる。

(ア)請求人が「クロテッドクリーム」に使用している商標

甲各号証によれば、請求人が、商品「クロテッドクリーム」に使用している商標は、本願商標と同一の商標といい得るものである。

(イ)使用開始時期及び使用期間

甲第6号証、同第7号証及び同第17号証によれば、請求人は、各種乳製品等の製造・販売を行う会社であり、1994年頃より商品「クロテッドクリーム」に本願商標を付して発売し、商品「クロテッドクリーム」を国内で初めて、かつ唯一の製造・販売会社として周知・著名であり、現在も継続して使用していることが認められる。

(ウ)宣伝広告等

甲各号証によれば、本願商標は、「日経流通新聞」「朝日新聞」「DIME」「Hanako」「ヴァンテーヌ」「A−2CLUBMAGAZINE」「ミキハウス・ラブ」「すてきな奥さん」「女性自身」「ERIO」「Day」「Tokyo Santa Back Number」「東京パノラマ」「家庭画報」「dancyu」「レタスクラブ」「グルメジャーナル」「ヴァンサンカン」「pink」「オレンジページ」「anan」等新聞、各種の雑誌、グルメ関係の専門誌及び請求人のパンフレット等に宣伝広告又は商品を紹介する記事が掲載されていること、またアフタヌーンティーの菓子「スコーン」に欠かせないものとして販売されていることが認められる。

(エ)使用商品の販売数量

甲第7号証によれば、本願商標が付されている商品「クロテッドクリーム」の販売は、希望小売価格130g380円、初年度販売目標は一億円であり、この種の商品の販売数量としては多い数と認められる。

(オ)他者による本願商標の使用の有無

「Clotted」「中沢クロテッド」の文字は、請求人一社が使用しており、「クロテッドクリーム」の製造・販売をしているのは請求人のみであることが認められる。

(カ)以上、(ア)ないし(オ)の事実を総合すれば、本願商標は、請求人によって、1994年以降継続して商品「クロテッドクリーム」に使用された結果、「Clotted」「中沢クロテッド」の文字よりなる本願商標は、請求人の業務に係る商標として、取引者、需要者に広く認識されるに至ったものと認められる。

(3)結語

してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、請求人によってその指定商品について永年使用された結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものと認められることから、同法第3条第2項に規定する要件を満たすものであって、登録すべきものというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第2項を適用し、登録すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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