sokuhyo弁理士法人WATT 監修

A判定なら印紙代込み全額返金

結論

敗訴(請求棄却)

商標「野口英世」の故人氏名の商標登録(第4条第1項第7号|審判不服2003−20794(T2003−20794/J1))

審判番号
不服2003−20794(T2003−20794/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「野口英世」
争点(論点)
故人氏名の商標登録
適用条文
第4条第1項第7号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2003−20794(T2003−20794/J1)・不服)は、本件商標「野口英世」について、商標法第4条第1項第7号への該当性が争われた事例です。主な争点は「故人氏名の商標登録」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「野口英世」の文字を標準文字で書してなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成14年11月18日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、世界的に著名な医学者である故人の氏名であって、『米国財団法人 野口英世記念財団』が野口英世博士のロックフェラー医学研究所における数々の業績を記念して国際医学貢献を目的に2002年4月にニューヨーク州の許可を受け設立されており、該公益法人は、医療情報システムに関する基本的かつ総合的な調査、研究、開発及び実験を行うとともに、これらの成果の普及及び要員の教育研修等を行うことにより、医学、医術の進展に即応した国民医療の確保に資し、もって国民福祉の向上と情報化社会の形成に寄与することを目的とし活動していることからも、このような商標を前記財団法人の承認を得ることなく、出願人が商標として採択、使用することは国際信義に反するものであり、穏当でない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第7号について

「世界的に著名な死者の氏名を遺族と何ら関係を有しない者が遺族等の承諾を得ることなく、商標として登録することは、故人の名声、名誉を傷つけるおそれがあるばかりでなく、公正な取引秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものとして、公の秩序又は善良の風俗を害するものといわざるを得ない。」と解される(東京高裁 平成13年(行ケ)第443号判決 平成14年7月31日判決言渡参照)。

2 これを本件についてみるに、本願商標は、「野口英世」の文字を標準文字で表してなるところ、野口英世は、世界的に有名な細菌学者であり、梅毒スピロヘータの純粋培養に成功したことや黄熱病研究に尽力したこと等で知られる人物であり、近時においては、その業積等を讃えて我が国の通貨(1000円紙幣)に肖像が採用されていることは遍く知られているところである(審査甲第3号証)。

そして、「野口英世」は、野口英世博士の氏名として、我が国の一般世人にも広く知られているものであり、これに止まることなく、世界的にもその業績とともに著名であるといえる。さらに、野口英世博士の業績を讃え、あるいは、その業績や遺志を引き継ぐ事業や団体等が国内外に実在することもまた知られたところである(たとえば、野口英世記念財団(http://www.noguchi-hideyo.com/hideyo/index.html)、野口英世記念館(http://www.noguchihideyo.or.jp/)、野口医学研究所(http://www.noguchi-net.com/)及び審査甲第1号証)ことからも、同人は、世界的に有名な細菌学者として著名な存在であり、その死亡時から査定時及び今日においても、その著名性が継続していると認められる。

3 そこで、本件の請求人(出願人)と前記野口英世博士との関係についてみるに、両者が何らかの関係を有する者であると認め得る証左はなく、また、当該氏名の出願や登録に関して、何らかの承諾等を得た者であるともいえないものであるから、本件の請求人(出願人)は、故野口英世博士とは何ら関係を有することのない者といわざるを得ない。

4 してみれば、本願商標は、指定商品の取引者、需要者に故野口英世博士の氏名を表す文字よりなるものと容易に認識させるものであるから、遺族等の承諾を得ることなく本願商標を指定商品について登録することは、著名な死者の名声に便乗し、指定商品についての使用の独占をもたらすことになり、故人の名声・名誉を傷つけるおそれがあるばかりでなく、公正な取引秩序を乱し、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるといわざるを得ないものである。

なお、請求人(出願人)は、登録例を挙げて、本願商標も同様に登録されて然るべきであると主張する。

しかしながら、本号に該当するか否かは、査定時又は審決時において、それぞれ個別具体的に判断されるべきものであり、例えば、請求人(出願人)の主張する登録第4195559号(審判甲第3号証)「福沢諭吉」は、無効審判(無効2004−89021)によって、商標法第4条第1項第7号により無効になっていること、及び登録第2685845号(審査甲第12号証の1)「ダリ DALI」と同様な標章「ダリ DARI」(登録第3370476号商標)が、前述のとおり、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものと判示されていることからも、登録例によって本件の判断を左右され得ないことを窺うことができる。

したがって、請求人(出願人)の主張は採用できない。

5 以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり、審決する。

A判定なら印紙代込み全額返金

過去の審決を調べたあと、登録可能性を無料で確認しませんか?

Sokuhyoなら約1分でAI判定(A〜C)。A判定なら印紙代込みの全額返金保証が付きます。

無料でAI商標調査を試す(約1分)

第4条第1項第7号が問題となった他の審決です。

第4条第1項第7号の審決をもっと見る

Next Action

関連する調査・サービス

類似審決の追加調査や区分・類似群の確認、中間応答の相談へ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。