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結論

勝訴(請求認容)

商標「RomanGarum」の普通名称と産地の識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判異議2006−90660(T2006−90660/J7))

審判番号
異議2006−90660(T2006−90660/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「RomanGarum」
争点(論点)
普通名称と産地の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
第30類
最終結論
登録取消(勝訴(請求認容))

この審決(審判異議2006−90660(T2006−90660/J7)・異議)は、本件商標「RomanGarum」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「普通名称と産地の識別力」です。指定商品・役務は第30類に属します。特許庁は「登録第4989529号商標の指定商品中、「調味料」についての商標登録を取り消す」と判断しました(登録取消)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4989529号商標の指定商品中、「調味料」についての商標登録を取り消す。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録4989529号商標(以下「本件商標」という。)は、「RomanGarum」の欧文字を書してなり、平成18年2月15日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月5日に登録査定され、同年9月22日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由の要旨

本件商標は、「RomanGarum」の欧文字を普通に用いられる方法で表示したものにすぎないから、指定商品中「古代ローマ風の魚の塩漬けを濃縮して発酵させた醤」に用いる時は「ローマ産または古代ローマ風に調理された魚醤」であるということを表示するものにすぎず、また、「その他の魚醤」及び「その他の調味料」に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであり、同法第15条第1項の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

第3 本件商標に対する取消理由

当審において、商標権者に対して、平成19年4月24日付けで通知した取消理由の要旨は以下のとおりである。

登録異議申立人の提出に係る甲号各証によれば、本件商標の構成中前段部の「Roman」の語が「ローマの、ローマ人」の意味を有すること(甲第6号証)、また本件商標の構成中後段部の「Garum」の語がその指定商品中の商品「調味料」との関係よりすると、「古代ローマにおいて、魚の塩漬けを濃縮して発酵させた醤(ひしお)」を意味する語であって、甲第4号証の2によれば、イタリアではカタクチイワシを原料として魚醤「ガルム」が製造されている。同第4号証の8によれば、ポンペイのどの家庭でも魚醤「ガルム」を常備している。同第4号証の11によれば、石川県のメーカーに委託してカタクチイワシを原料に「ガルム」を生産する記事を見出すことができる。同第5号証の2によれば、イタリアでは、ガルムが魚醤としてポピュラーであることが認められる。

以上に記載したように、近年、これを再現する試みがなされていて、食品業界の専門誌ばかりでなく、新聞、テレビ又はいわゆるインターネット・ホームページ情報でも紹介され、或いは「ガルム」又は「Garum」を使用した料理を提供するレストラン等も紹介されている事実を認めることができる。

さらに、職権をもって調査するに、株式会社研究社が発行した「LEXICON LATINO−JAPONICUM 羅和辞典」によれば、「garum」の文字は「魚汁」の意味を有すること、日仏料理教会が編集し株式会社白水社が発行した「山本直文フランス料理用語辞典」によれば、「garum」の文字が「ギリシャ、ローマ時代に多用された魚醤」の意味を有し、例えば、「油を加えた魚醤」を「oleogarum(eの文字の上にはアクサン記号が付されている。)」、「酢を加えた魚醤」を「oxygarum」と称している。株式会社朝倉書店が発行した「醸造・発酵食品の事典」によれば、魚醤油の項に「古代ローマにはガラムという魚醤油があり、現在のアンチョビーソースにおもかげを残しているが、イタリアには伝統を引く魚醤油があると報告されている。」と記載されている。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品中の「古代ローマ風(ローマ産)の魚の塩漬けを濃縮して発酵させた醤(ひしお)」について使用しても、これに接する取引者・需要者をして、単に商品の品質(産地、販売地)を表したものと理解・認識させるにすぎないものであり、また、上記商品以外の「調味料」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標の指定商品中「調味料」についての登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものである。

第4 商標権者の意見

商標権者は、上記第3の取消理由通知に対して、指定した期間内に意見を述べていない。

第5 当審の判断

本件商標は、上記第3で述べたとおりの取消理由があるものと認められるので、本件商標の指定商品中「調味料」についての登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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