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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「結合商標の観念と周知性」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2014−12486(T2014−12486/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2014−12486(T2014−12486/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「電気通信機械器具、電子応用機械器具」
争点(論点)
結合商標の観念と周知性
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2014−12486(T2014−12486/J1)・不服)は、本件商標と引用商標「電気通信機械器具、電子応用機械器具」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「結合商標の観念と周知性」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「予防歯科」及び「ライオン」の文字を2段に横書きしてなり、第3類及び第21類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年5月14日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における平成26年6月30日付けの手続補正書によって、第21類「歯ブラシ,歯間ブラシ,電気式歯ブラシ,デンタルフロス」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第84022号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、大正4年7月16日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同6年2月2日に設定登録され、その後、平成6年3月2日に、指定商品中「電気通信機械器具、電子応用機械器具」を取り消す旨の商標権一部取消し審判の審決の確定登録がされ、さらに、同20年10月8日には、指定商品を別掲2のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)商標の類否の解釈について

商標法第4条第1項第11号における「商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、しかもその取引の実情を明らかにしうる限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする。」ものである。そして、「商標の外観、観念又は称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、したがって、前記3点のうちその1において類似するものでも、他の2点において著しく相違することその他の取引の実状等によって、なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認め難いものについては、これを類似商標と解すべきではない。」(最高裁昭和39年(行ツ)第110号判決)と解されるものである。

以下、これをふまえて本願商標と引用商標の類否を検討する。

(2)本願商標

ア 請求人である「ライオン株式会社」は、ライオン株式会社のウェブサイトによれば、明治24年に創業、大正7年に設立され、昭和55年から現在の社名であるライオン株式会社となり、歯磨き、歯ブラシ、石けん、洗剤、ヘアケア・スキンケア製品、クッキング用品、薬品、化学品等の製造販売、海外現地会社への輸出を行い、日本各地に12の事業所をもつ企業である。その売上は、2,537億円(平成25年12月期)であり、なかでも、オーラルケア事業の市場占有率は、歯磨きがトップシェアを誇るなど、極めて高いものとなっている。

したがって、本願商標の指定商品を取り扱うオーラルケア事業の分野において、請求人は著名な企業といえるものであり、「LION」の欧文字及び「ライオン」の片仮名は、同社の社名に通じるものであり、同社の業務に係る商品又は役務を表すものとして、我が国で周知著名なものといえる。

イ 本願商標は、「予防歯科」及び「ライオン」の文字を2段に書してなるところ、その構成中の「予防歯科」の文字は、虫歯や歯周病の治療ではなく、虫歯や歯周病の予防処置をする歯科を表すものであって、その指定商品も、予防歯科向けの商品ということができるものである。

そして、このような「予防歯科」の文字部分と指定商品の関係を前提に、本願商標の構成中の「ライオン」の文字をみるに、辞書上、該文字に動物である「ライオン」の意味があるとしても、その構成中の「予防歯科」の文字部分の意味との関係を踏まえるならば、該「LION」及び「ライオン」の文字部分は、「予防歯科」の文字に密接な関係を有する、いわゆるオーラルケア事業を中心に周知著名となっている「ライオン株式会社」(請求人)を表すものとして認識されるとみるのが相当である。

そうすると、本願商標は、「ヨボウシカライオン」の一連の称呼と、「ライオン」の文字部分に相応して、「ライオン」の称呼が生じ、その観念については、その構成文字全体に相応して、「ライオン株式会社がうったえる予防歯科」程度の意味合いを連想させるものといえる。

(3)引用商標

引用商標は、別掲1のとおり、中央にライオンと思しき図形と図形左側に縦書きで「ライオン」の片仮名および図形下側に「LION」の欧文字を配してなるものであり、「ライオン」の称呼及び「(動物の)ライオン」の観念を生じるものである。

(4)本願商標と引用商標の対比

本願商標と引用商標とは、外観においては、それぞれの構成に照らすならば、区別し得る差異を有するものである。

そして、観念においては、上記(2)のとおり、本願商標は、その構成中の「ライオン」の文字部分が、請求人であるライオン株式会社を表すものとして認識されるといえるものであるほか、全体としても、「ライオン株式会社がうったえる予防歯科」程度の意味合いを連想させるものである一方で、引用商標は、「(動物の)ライオン」の観念が生じるものであるから、両商標は、観念において、相紛れるおそれがあるということはできないものである。

次に、称呼においては、本願商標と引用商標は、それぞれの称呼が、上記(2)及び(3)のとおりであるから、「ライオン」の称呼を共通にするものといえる。

そうすると、本願商標と引用商標が、「ライオン」の称呼を共通にするとしても、外観及び観念については、上述のとおりの差異があり、しかも、本願商標の構成中の「ライオン」の文字部分が、取引者、需要者に請求人である「ライオン株式会社」を表すものとして認識されるものであることを総合的に考察するならば、本願商標は、その指定商品に使用された場合、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想が、引用商標の「(動物の)ライオン」とは、大きく異なるものといえるから、商品の出所について混同を生じるおそれがあるということはできないというのが相当である。

(5)本願商標と引用商標の指定商品の対比

本願商標の指定商品中の「歯ブラシ,歯間ブラシ,デンタルフロス」は衛生用品であり、引用商標の指定商品は電化製品であり、それぞれの生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途などが異なり、本願商標のこれら指定商品と引用商標の指定商品は、非類似の商品といえるものである。

次に、本願商標の指定商品中の「電気式歯ブラシ」は、電化製品ともいえるものであり、引用商標の指定商品中の「電気式ヘアカーラー,家庭用電熱用品類」と同様に、電気店等で販売される場合もあるものであるが、一方で、薬局等の歯ブラシが並ぶ衛生用品売場で取り扱われていることも少なくなく、しかも、電化製品といえども、衛生用の商品であって、引用商標の指定商品とは、その用途、品質等が全く異なるものである。

そうすると、本願商標をその指定商品中の「電気式歯ブラシ」に使用しても、引用商標との関係で、これに接する取引者、需要者が商品の出所について誤認混同を生じるおそれがあるということはできないとみるのが相当である。

(6)まとめ

以上のとおりであるから、本願商標と引用商標は、類似の商標ということができないものであり、本願商標をその指定商品に使用しても、引用商標との関係で、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるということはできないから、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。

したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消を免れない。

その他、本願についての拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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