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結論

勝訴(請求認容)

商標「THINK SMALL」の称呼の類似性と要部抽出(第4条第1項第11号|審判不服2017−13980(T2017−13980/J1))

審判番号
不服2017−13980(T2017−13980/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「THINK SMALL」
争点(論点)
称呼の類似性と要部抽出
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2017−13980(T2017−13980/J1)・不服)は、本件商標「THINK SMALL」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の類似性と要部抽出」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「THINK SMALL」の欧文字を標準文字で表してなり,第16類「紙類,文房具類」及び第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,皮革製包装用容器,洋傘袋」を指定商品として,平成28年5月16日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5694673号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成25年12月20日登録出願,第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,同26年8月15日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は,「THINK SMALL」の欧文字を標準文字で表してなるところ,「THINK」の語は「...と思う,...を考える」の意味を,「SMALL」の語は「小さい」の意味を有する,我が国でも親しまれている英語であり,両語を結合しても成語となるものではないが,それぞれの構成文字の意味を組みあわせた「小さく考える」又は「小さいことを考える」などの漠然とした意味合いを連想,想起させる(参照:「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店発行)。

そのため,本願商標は,その構成文字に相応して「シンクスモール」の称呼が生じ,その構成文字の意味に相応して「小さく考える」又は「小さいことを考える」などの漠然とした意味合いを連想,想起させる。

(2)引用商標について

引用商標は,左側に略「S」字状の構成よりなる太線を,外縁が円形となるように描いた黒塗りの図形を配し,その右側に1字程度の間隔を空けて,「SYNCSMALL」(「A」の文字は,中央上部に頂点を有する山型線の内部に三角形を配するように図案化されている)の欧文字を黒字で横書きしてなるところ,左側の図形部分と右側の文字部分は,間隔を空けて配置されており,それぞれの構成態様(図形と文字)及び大きさの相違から,両者は視覚上分離して認識,看取されるものである。また,左側の図形部分は,右側の文字部分の頭文字「S」を図案化して併記した可能性を示唆するとしても,その図案化の程度が顕著であるため,これより直ちに特定の称呼及び観念が生じるものではないというべきであるから,右側の文字部分と特段の称呼及び観念上のつながりはみられない。

そうすると,引用商標は,その図形部分及び文字部分を,分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく,その構成中の図形部分及び文字部分のそれぞれを要部として抽出し,これを本願商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものである。

そして,引用商標の右側の文字部分は,中央上部に頂点を有する山型線の内部に三角形を配した図案化した部分を含んでなるところ,当該図案化部分は,他の文字と横一連に連続して,同じ大きさで,一体的に配置されており,その構成上の特徴も,欧文字「A」を構成する山型線及び中央横線に相当する特徴を備えていることから,全体として「SYNCSMALL」の文字を表してなると容易に理解できる。

そのため,引用商標の要部である文字部分からは,その構成文字に相応して「シンクスモール」の称呼が生じ,特定の意味を有する語とも認識できないため,特定の観念は生じない。

(3)本願商標と引用商標の類否について

本願商標と引用商標の文字部分の外観を比較すると,語尾の「SMALL」の構成文字を有する点で共通するものの,前半の「THINK」と「SYNC」の文字部分が異なり,しかも,それぞれの書体の相違や「A」の文字部分の図案化の有無もあいまって,外観が著しく相違するものである。

さらに,本願商標と引用商標の文字部分の称呼及び観念を比較すると,両者は「シンクスモール」の称呼を共通にするが,本願商標は,構成文字の意味に相応して「小さく考える」又は「小さいことを考える」などの漠然とした意味合いを連想,想起させる一方で,引用商標からは特定の観念は生じないため,両者から受ける観念上の印象は異なる。

そして,本願商標と引用商標の図形部分を比較すると,後者からは特定の称呼及び観念は生じない一方で,本願商標は「シンクスモール」の称呼を生じ,上記意味合いを連想,想起させるため,両者から受ける称呼及び観念における印象は異なるもので,両者の外観は,構成要素(文字と図形)が明らかに異なり,全体として外観が著しく相違するものである。

そのため,本願商標は,引用商標とは,その要部である文字部分との比較において称呼を共通にするとしても,外観は著しく異なり,観念上の印象も異なるものであり,その図形部分との比較においては,外観,称呼及び観念のいずれも類似するものではないことから,これらを総合的に勘案すると,両商標は,相紛れるおそれはなく,誤認混同を生じるおそれはないというべきである。

(4)まとめ

以上のとおり,本願商標は,引用商標とは非類似の商標であるから,その指定商品が,引用商標の指定役務と類似するとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

よって,結論のとおり審決する。

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