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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「記述的語句と要部識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2017−650053(T2017−650053/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2017−650053(T2017−650053/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
記述的語句と要部識別力
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2017−650053(T2017−650053/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「記述的語句と要部識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「HTS HYDRAULIC TILTING SYSTEM」の欧文字を表してなり,第12類,第25類及び第37類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,2014年4月13日にSwiterlandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2014年(平成26年)7月14日に国際商標登録出願され,その後,本願の指定商品及び指定役務については,原審における平成27年6月19日付け手続補正書により,第12類「Motorized vehicles;motorcycles;cars tricycles,scooters,tricycles motorcycles;anti−theft devices for motorcycles,plastic windscreens for motorcycles;luggage carriers and luggage nets for motorcycles;saddle covers for motorcycles;driver sleeves for hand protection,namely handlebar muffs;leg covers for motorcycles;safety seats for children for motorcycles,windscreen wipers for motorcycles;windscreens for motorcycles,parts and accessories for motorcycles;bicycles.」及び第37類「Maintenance and repair of automobiles,assembly services relating to the installation of vehicles parts,installation of vehicle parts.」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,拒絶の理由に引用した登録第4607078号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成13年9月14日に登録出願,第12類「緩衝器,ばね,鉄道車両用サスペンション装置,自動車用サスペンションストラット,その他の自動車用サスペンション装置,制動装置,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車用サスペンション装置,自転車用サドルダンパ,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として,同14年9月27日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は,上記1のとおり,「HTS HYDRAULIC TILTING SYSTEM」の欧文字を表してなるところ,その構成は,「HTS」,「HYDRAULIC」,「TILTING」及び「SYSTEM」の欧文字を,各1文字分のスペースを介して同じ書体,同じ大きさをもって一連に表されているものである。

そして,本願商標は,その構成中の「HYDRAULIC」の文字は,「水力[水圧]の[で作動する];油圧の[で作動する]」等の意味を,「TILTING」の文字は,「<ものを>傾ける」等の意味を,「SYSTEM」の文字は,「(組織的な)機械装置,(オーディオ・コンピューターなどの)システム」等(いずれも,株式会社研究社「新英和中辞典」)を意味する英語であるから,本願商標中の「HYDRAULIC TILTING SYSTEM」の文字部分からは,「水圧又は油圧による傾斜装置」程の意味合いを理解させるものであって,本願商標の指定商品との関係においては,前記意味合いにおける機械装置であることを理解させるといえるものであるから,該文字部分は,自他商品識別標識としての機能を有しないか,極めて弱いとみるのが相当である。

そうすると,本願商標は,語頭における「HTS」の文字部分が識別力を有する要部として強く印象されるものである。

してみれば,本願商標は,その構成全体から生ずる「エイチティーエスハイドラーリックティルティングシステム」の称呼が生じるほか,本願商標の要部である「HTS」の文字部分から「エイチティーエス」の称呼をも生じるものである。

そして,本願商標の全体からは「HTSなる水圧又は油圧傾斜装置」程の観念が生じ,本願商標の要部である「HTS」の該文字部分からは特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標について

引用商標は,上記2のとおり,「H」,「T」及び「S」の欧文字を構成要素としながらも,該3文字が,重なり,接し,一体的に組み合わされ,さらに図案化が施された結果,一種のモノグラム図形を構成する態様になっているといえる。

次に,引用商標は,その構成要素である欧文字に相応して,「エイチティーエス」の称呼を生じる場合もあり,特定の観念を生じないものである。

(3)本願商標と引用商標との類否について

本願商標全体と引用商標とを比較してみると,両商標は上記(1)及び(2)のとおりであるから,その外観,称呼及び観念を総合的に勘案すれば,互いに紛れるおそれはないというべきである。

次に,本願商標の要部と引用商標とを比較してみると,その外観は,共に「H」,「T」及び「S」の欧文字より構成されるものの,本件商標の要部の文字が,普通に用いられる字体よりなるのに対し,引用商標の文字は,高度な図案化が施され,一種のモノグラム図形を構成する態様になっていることから,両者は,その構成において明らかな差異を有し,外観上,明確に区別し得るものである。

そして,称呼についてみると,両者はともに「エイチティーエス」の称呼を共通にする場合がある。

次に,観念についてみると,両者はともに特定の観念を有しないものであるから,観念上,比較することができない。

以上のことからすると,本願商標の要部と引用商標とは,「エイチティーエス」の称呼を共通にする場合があり,観念において比較することができず,外観において明確に区別できるものである。

そして,外観における相違が顕著であることから,称呼の共通性が外観における差異を凌駕するものとはいい難く,外観,称呼及び観念を総合して勘案すれば,互いに紛れるおそれはないというべきである。

したがって,本願商標と引用商標とは,互いに紛れることのない非類似の商標というのが相当である。

(4)まとめ

以上のとおり,本願商標と引用商標とは,その指定商品が同一又は類似のものとしても,両商標は非類似の商標であるから,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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