1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第29類、第30類、第31類及び第32類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年2月17日に登録出願されたものである。そして、同年12月5日付け手続補正書により、指定商品中、第32類に属する商品については、「飲料用朝鮮人参ジュース用の朝鮮人参の粉末,朝鮮人参ジュース,飲料用朝鮮人参エキス」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『肝じん茶』の文字を横書きしてなる登録第4114977号商標(以下「引用商標1」という。)、『かんじん』の文字と『肝心』の文字とを二段に横書きしてなる登録第4597683号商標(以下「引用商標2」という。)及び『野菜肝心』の文字を標準文字で表してなる登録第4631464号商標(以下「引用商標3」という。)と同一又は類似の商標であって同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、その構成中「農協人参」及び「韓参印」の文字における「参」及び「韓」の文字はやや特殊な書体で表されている(以下、「参」及び「韓」の文字で表示する。)。
そして、本願商標の構成文字中、「韓参印」における「印」の文字は、「証明とする判、しるし」を表す語であるから、識別力が弱いものであり、該文字部分が省略され、前半の「韓参」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たす部分として認識され、該文字より生ずる称呼をもって取引に資される場合も決して少なくないものである。
また、高麗(朝鮮)人参及びこれを原材料とする商品の取引において、当該商品のパッケージ等に、本願商標構成中のやや特殊な書体が表示されて取引されている実情があること及び当該文字と我が国で一般に使用されている当用漢字の近似性が認められるところである。
そうとすると、本願商標の構成中「農協人参」及び「韓参印」の文字に接する取引者、需要者は、前者を、比較的容易に「ノウキョウニンジン」と称呼し得ると認められるものであって、これと相まって後者の「韓参印」の文字部分は、「カンジンジルシ」、「カンジンイン」の称呼のほかに「カンジン」と称呼される場合もあり得るとみるのが相当である。そして、「韓参」の文字は、本願商標構成中の図形及び「農協人参」の文字とに相まって、「韓国の高麗(朝鮮)人参」程の意味合いを表した独特の文字として把握され、記憶されるものといえる。
他方、引用商標1は、「肝じん茶」の文字を横書きしてなり、構成文字全体として「カンジンチャ」の一連の称呼のほか、構成中「茶」の文字は、指定商品を表すものといえるから、「肝じん」の文字より、「カンジン」の称呼をも生ずるものであり、かつ、「肝要、大切」の観念を生ずるということができる。
同じく、引用商標2は、「かんじん」及び「肝心」の文字を二段に書してなり、その構成文字に相応して「カンジン」の称呼及び「肝要、大切」の観念が生じるものである。
同じく、引用商標3は、「野菜肝心」の文字を横書きしてなり、外観上、まとまりよく一体的に把握されるものであって、全体として一体不可分の造語よりなるとみるのが自然であるから、これより生ずる称呼は、「ヤサイカンジン」の一連の称呼のみであるというのが相当である。
してみると、引用商標3から、「カンジン」の称呼をも生ずるということはできないから、本願商標と引用商標3とが「カンジン」の称呼を共通にする類似の商標ということはできない。
そこで、本願商標と引用商標1及び2との類否について判断するに、両者は、上記のとおり、外観において著しい差異を有し、観念においては明らかに区別し得るから、その外観、称呼及び観念を総合して全体的に考察すると、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等が異なるものであって、両者は「カンジン」の称呼を同一にする場合があるとしても、これをもって直ちに類似の商標とすることはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取り消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。