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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「称呼・観念なき図形商標の類否」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2011−18860(T2011−18860/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2011−18860(T2011−18860/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「日本料理を主とする飲食物の提供,西洋料理を主とする飲食物の提供,アルコ―ル飲料…」
争点(論点)
称呼・観念なき図形商標の類否
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2011−18860(T2011−18860/J1)・不服)は、本件商標と引用商標「日本料理を主とする飲食物の提供,西洋料理を主とする飲食物の提供,アルコ―ル飲料…」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼・観念なき図形商標の類否」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、第39類、第43類及び第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成22年9月3日に登録出願された商願2010−69811に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同23年2月24日に登録出願、その後、指定役務については、当審における同年8月31日提出の手続補正書により、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,健康食品を主とする飲食物の提供その他の飲食物の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施設の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与」及び第44類「医業・医療・健康診断・歯科医業・調剤及びこれらに関する情報の提供,栄養の指導,介護,介護に関する助言及び情報の提供,医療用機械器具の貸与,健康管理・ダイエットに関する助言及び情報の提供」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定において、本願商標が商標法4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録商標(以下「引用商標」という。)は、次のとおりである。

(1)登録第3209507号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成4年9月25日に登録出願、第42類「日本料理を主とする飲食物の提供,西洋料理を主とする飲食物の提供,アルコ―ル飲料を主とする飲食物の提供,茶・コ―ヒ―・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,衣服の貸与,祭壇の貸与,展示施設の貸与」を指定役務として、同8年10月31日に設定登録され、その後、同18年8月8日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

(2)また、登録第4886804号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成17年2月4日に登録出願、第43類「老人・病人・身体の不自由な人の介護・養護(施設または在宅におけるものを含む。),老人・病人・身体の不自由な人の介護・養護に関する助言及び情報の提供,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,乳幼児の保育,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」を指定役務として、同年8月12日に設定登録され、それぞれ現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標の構成は、別掲(1)のとおり、2つの円図形とハート型図形からなるところ、左側の円図形とハート型図形のやや左半分を黄色、右側の円図形とハート型図形のやや右半分を緑色で配色され、また、2つの円図形は、ハート型図形の2つの上端に少し隙間を空け配置されている。ハート型図形は、さらにその内部をハート型図形で白抜きされているものである。

そして、本願商標は、上記のとおり、図形全体を左右に色分けされ、円図形、白抜きされたハート型図形を有することから、頭部と胴体からなる人(二人)をモチーフしたものと看取される場合があるとしても、直ちに特定の事物、事象を表したものと認識されるとはいい難いものであり、本願商標からは、称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。

(2)引用商標1について

引用商標1は、別掲(2)のとおり、左半分が青色、右半分が赤色で配色された、左右対称の「う」の字様の図形からなるところ、右側の「う」の字様の図形と左側の「う」の字様の図形の上部の「う」の点に相当する部分をそれぞれ円図形で表してなり、「う」の字様の下部の始点と終点は左右でそれぞれ接するようにして描かれているものである。

そして、引用商標1は、上記のとおり、図形全体を左右に色分けされ、左右対称の「う」の字様の図形よりなるとしても、全体として直ちに特定の事物、事象を表したものと認識されるとはいい難いものであり、引用商標1からは、称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。

(3)本願商標と引用商標1の類否について

本願商標と引用商標1とを比較するに、上記のとおり、本願商標は、2つの円図形とハート型図形からなる人をモチーフにしたものといえる場合があるのに対して、引用商標1は、「う」の字様図形を左右対称に表したものと認識されるから、その表現方法は明らかに異なるものであり、両商標を対比観察した場合にはもとより、時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上、明らかに区別し得るものである。また、互いの称呼及び観念については比較し得ないものである。

したがって、本願商標と引用商標1とは、類似しない。

(4)引用商標2について

引用商標2は、別掲(3)のとおり、上部に、大きく描いた2つの円図形とハート型図形及び、その下部に、横一列に小さく、前後3ずつの星形図形を配して「ココロとココロの支え愛」の文字を表してなるから、該文字に相応して「ココロトココロノササエアイ」の称呼を生ずるものであるが、該文字部分から、特定の観念を生ずるものとはいえない。

そして、上部に大きく描かれた図形部分は、左側の円図形とハート型図形の左半分を緑色、右側の円図形とハート型図形の右半分を黄色で配色されている。また、2つの円図形は、ハート型図形の2つの上端に密着するように配置され、ハート型図形は、その内部に白抜きの「V」の字を有し、同じ幅の太い線でハート型図形(以下「V字様ハート図形」という。)を描いてなるものである。

そうとすれば、引用商標2は、その構成中、特に大きく描かれた上部の図形部分は、その他の部分から分離されて顕著な印象を受けるものであるから、大きく描かれた図形部分も独立して着目される場合があるものということができる。

しかして、引用商標2の大きく描かれた図形部分は、図形全体を左右に色分けされ、その上部に配された2つの円図形とV字様ハート図形とを描いてなるとしても、直ちに特定の事物、事象を表したものと認識されるとはいい難いものであり、引用商標2の大きく描かれた図形部分からは、称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。

(5)本願商標と引用商標2の類否について

本願商標と引用商標2とを比較するに、本願商標は、2つの円図形とハート型図形からなる人をモチーフにしたものといえる場合がある図形商標のみからなるのに対し、引用商標2は、2つの円図形とV字様ハート図形からなる大きく描かれた図形部分と、星形図形と文字とを組み合わせてなるから、両者は外観において明らかな差異を有するものである。また、互いの称呼及び観念については比較し得ないものである。

さらに、本願商標と引用商標2の大きく描かれた図形部分とは、本願商標は、2つの円図形とハート型図形の内部をハート型図形で白抜きされ、円図形とハート型図形は少し隙間を空け配置されているものであるのに対して、引用商標2は、2つの円図形とハート型図形の内部を「V」の字で白抜きされ、円図形とハート型図形は密着するように配置されているものであるから、その表現方法は明らかに異なるものであり、両商標を対比観察した場合にはもとより、時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上、明らかに区別し得るものである。

したがって、本願商標と引用商標2とは、類似しない。

(6)まとめ

以上のとおり、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても、十分に区別し得る非類似の商標である。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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